残業代払わない「ホワイトカラーエグゼンプション」 新年から再度議論始まる見通し

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   法律で定められた「1日8時間」など一律の労働時間規制の適用を除外する「ホワイトカラーエグゼンプション」が、また議論の俎上に上ってきた。

   「国家戦略特区」に関する2013年夏から秋にかけての議論で、「残業代ゼロ」などとして批判を浴びるなど反発が強く、解雇規制緩和(解雇特区)とともに導入が見送られた。しかし、ここにきて、産業競争力会議などで委員から改めて持ち出されている。新年初めから議論は継続するのは確実で、解雇規制と併せ、労使間の大きな争点になりそうだ。

「解雇特区」と批判されいったん断念

   労働基準法などでは、労働時間は原則1日8時間、週40時間などと規定され、それを超えて働かせるには労使の協定が必要で、割増し賃金を払わなければならない。この規制を緩和して、深夜や休日にどれだけ働いても割増賃金を払わないことを認めようというのだ。交代制などで働く工場現場の労働者などにはなじまない制度だが、一定の裁量で労働時間を自らコントロールしうるホワイトカラーを対象に、時間外の賃金割増など法律の条文の適用除外(エグゼンプション)にすることから、「ホワイトカラー・エグゼンプション」と呼ばれる。現在でも、働いた時間によらず、決められた給与を出す「裁量労働制」があるが、手続きが複雑なので、もっと使いやすい制度をめざす。

   10月18日に国家戦略特区の規制緩和メニューを決めた際には、ホワイトカラーエグゼンプションは、「解雇特区」と批判された解雇規制緩和とともに、盛り込まれなかった。ところが、年末が近づいて議論が蒸し返されている。

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