ランチタイム前後が事故発生の「魔の時間帯」
事故の原因で圧倒的に多いのは「自分で転倒」だ。スキーでは76.7%、スノーボードでも82.7%を占めている。傷害の種類ではスキーとスノーボードでそれぞれ特徴があり、スキーでは膝の捻挫が特に多く、スノーボードでは手首や肩の骨折・脱臼が目立つ。もちろん最悪の場合は死亡にもつながる。同資料では12~13年シーズンに8人の死亡が報告されている。
これからスキー場でウィンタースポーツを楽しむ場合、どういった点に注意すればいいのか。まずは時間帯だ。先の資料によると、事故の発生時間は11時~12時、14時~15時の計2時間に集中している。昼食時間前後はスキー場が混雑し、多くの人が滑ることで雪の状態も変化する。これに疲労などの要因も重なり、事故が多発しているとみられる。そのため混雑状況や自分の体力と相談しながら、自分のペースで滑ることが重要だ。またけがをする際は、必ずしもスピードを出し過ぎているときとは限らない。実際、けがをしたうちの約80%は通常のスピード以下で事故に遭っている。停止中でも後方からのスキーヤーに衝突される可能性があることを頭に入れておく必要がある。
全日本スキー連盟による「安全10則」では、事故回避のためにほかにも準備運動や十分な睡眠、安全締具の適切な調節などを呼びかけている。