店側も損害賠償など強硬手段で対抗
食品を扱う店のアルバイト従業員が、店舗で常軌を逸した「悪ふざけ」をしてSNSで発信する――いわゆる「バイトテロ」が突然大流行した。店側に損害を負わせることから「テロ」と名付けられた。不衛生という悪評が立った店は、営業の継続が難しくなり、実際にバイトテロを受けた東京・多摩市のそば屋が閉店に追い込まれた。
発端となったのは、高知市内のローソンで従業員が冷凍ケースの中で寝そべる写真をフェイスブックに投稿したこと。同店はフランチャイズ契約解除という厳しい対応を受けたが、これを皮切りに「模倣犯」が続々と現れた。
本人たちにとっては内輪受けを狙った「悪ふざけ」のつもりでも代償は高く。店側は解雇だけに留まらず、被害届や損害賠償請求も視野に入れた対応を打ち出した。
ピザーラでは店のキッチンの冷蔵庫やシンクに入った写真を投稿した全員を解雇。従業員がキッチンの大型冷蔵庫に体を突っ込んだ写真で「炎上」したブロンコビリーは翌日に該当店舗の休業、さらに1週間とたたないうちに閉店を決め、損害賠償請求の検討に入った。群馬県のスーパーでは、アイスケースに寝そべった男性について所轄の警察に被害届を提出の上、損害が確定次第、賠償請求を検討していると報道された。この男性は通っていた専門学校も退学になってしまった。
バカッターは従業員だけではなかった。客側による「客テロ」も問題になった。
お好み焼き店でソースとマヨネーズの容器を鼻に突っ込んだり、寿司の上にタバコを乗せて撮影したり、しょう油さしの注ぎ口からしょう油を吸ったりと不潔極まりない写真が次々アップされ、利用者を不安がらせた。