憲法学の大御所「知らない」発言にガッカリ
そして2013年で安倍首相関連の記事で最も読まれたのは、憲法学者・芦部信喜氏(1923~1999)を知らないと、安倍首相が話したことを報じた記事だ。参院予算員会で民主・小西洋之参院議員の質問に答えられなかった。
法学部卒(政治学科)で憲法改正を唱える首相が、憲法学の「大御所」の名前を知らなかったことを残念がったり、呆れたりする声が出た一方で、クイズのような形式で憲法理解を問うことに批判の意見もあった。コメント欄には「知らないからと言ってなんだよ」「漢字テストと同じだな」といった意見から始まり、約800件にも上る議論が積みあがった。
毀誉褒貶ありながらも2013年は、おおむね高い支持を得ていた安倍内閣だったが、年末にかけて風向きが変わりつつある。大手マスコミの世論調査で支持率低下が報じられ始めたのだ。時事通信の12月の調査では支持47.1%、不支持32.1%。他社調査も似た傾向で「初めて支持が50%切る」などと報じたところが多かった。
そして頼みのネットでも、ドワンゴとニワンゴによるネットの世論調査(12月18日実施・発表)で同様の傾向が出た。支持率は44.1%で前回から6.6ポイントの急落、政権発足以来の最低記録を更新した。J-CASTコメント欄では、TPP交渉参加と消費税増税決定、秘密保護法が響いたのではという見方も出ている。熱烈な支持層からは、いつまでたっても靖国神社に行かないことへの苛立ちの声も寄せられていた。年末の参拝で、そのあたりの不満にはこたえた形だが、海外からは批判ラッシュ。米国からも「失望」の声が届いたのは想定外だったかもしれない。
株が上がり、「アベノミクス」が新語・流行語大賞のベスト10入りをするなど、主に経済の面では好調に推移したとされる安倍首相。ところが、日本経済新聞社とテレビ東京による12月20~22日の世論調査によると、「来年は今年より景気が良くなると期待できる」が39%、「期待できない」が49%と、先行きを不安視する見方が多くなっている。消費税の引き上げなど家計の「負担増」がどう影響してくるのか。来年は安倍首相とアベノミクスの真価が問われることになりそうだ。