【J-CASTが見た2013年】第6回
防空識別圏めぐり日中の「空」に緊張走る 頼みはやっぱり「蒼井そら」?

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   2013年も中国からの話題に事欠かない1年だった。とりわけ防空識別圏の設定をはじめ、中国の強硬姿勢は日本に衝撃を与えた。一方、AV女優・蒼井そらさんの一挙手一投足に中国のファンが盛り上がるなど、緊張関係を和らげる話題も少なからずあった。

   10月から好評販売中の電子書籍「仰天!中国」では間に合わなかった話題も含め、J-CASTニュースでアクセスランキングの上位に入ったニュースを中心に、この1年を振り返る。

読み違えた防空識別圏の設定

尖閣諸島まで含む中国の防空識別圏(画像は新華社通信のウェブ版より)
尖閣諸島まで含む中国の防空識別圏(画像は新華社通信のウェブ版より)

   この1年、中国の強硬姿勢は日本を驚かせ続けた。年始には中国艦による自衛隊艦へのレーダー照射事件があり、その後も中国艦は尖閣近辺で何度も日本の領海を侵犯し続けた。なかでも11月、中国が一方的に提示した防空識別圏は日本のみならず、周辺国を巻き込んだ騒動となった。

   得意満面で発表した防空識別圏だったが、日本、アメリカ、韓国から大きな反発を呼ぶ。日本による猛抗議以外にも、アメリカが直後に爆撃機B52を中国の防空識別圏内で飛行させるなど、中国の行動は支持を得られず、国際社会で一時孤立したようだった。

   こうした情勢を中国の安全保障に詳しい研究者は「中国には読み違えがあった」とみる。実は、2012年に開かれたトラック2(民間有識者を含む意見交換)会合で、中国側の出席者が、日米の出席者から防空識別圏についてレクチャーを受ける場面があったという。中国の防空識別圏に対する理解がどの程度であったかを示す一挿話であろう。

   日本政府の意向を受け、日本航空や全日空は中国へ飛行計画を提出しない方針を打ち出したが、他国の航空会社の対応は異なった。アメリカの民間航空各社が飛行計画を任意で提出。東南アジア各国の航空会社もそれに続いた。日中の防空識別圏について、各国の足並みはそろっておらず、「中国の完敗」はまだ決まったわけではない。

   なお、防空識別圏の設定について、習近平総書記が軍部の動きを知らなかった、または止められなかったのではないという見方もあった。しかし、習氏が委員長を務める中央軍事員会委員から支持されたことが香港の「フェニックステレビ」などで報じられており、また10月に開催され、習氏が出席した対外政策の会議でも防空識別圏の話題が出たという。「聞いてはいるが、やるなとは言わない」(前述の研究者)というのが実情のようだ。いずれにせよ、今後もこうした事案は起こりうるだろう。

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