「小学二年生」などに長期連載している室山まゆみさんの漫画「あさりちゃん」がいよいよ完結する。連載期間は35年余りで累計発行部数は約2800万部のヒット作品だ。
幅広い年齢の読者がいるため完結することが報道されると、ネットでは残念がる声が多数出ている。
ギネス世界記録に申請中
「あさりちゃん」は、小学四年生・浜野あさりが主人公のギャグ漫画で、運動は好きだが勉強嫌いで明るく元気な性格のあさりちゃんと、学校一の秀才である姉・タタミの日常を描いた作品だ。著者名は「室山まゆみ」となっているが、姉・真弓さんと妹・真里子さんによる共同のペンネーム。
小学館サイト内の「あさりちゃんのへや」によると、アシスタントに頼むこともあるものの、基本的に2人だけで描いている。ストーリー作りは2人で行い、下絵を真里子さんが担当し、人物のペン入れは真弓さんがしてきた。
雑誌「小学二年生」で1978年に連載をスタートして、過去には他の学年誌や「月刊コロコロコミック」、「ぴょんぴょん」、「ちゃお」などでも作品を発表していた。82~83年にはテレビ朝日系でアニメ化され、86年には第31回小学館漫画賞の児童部門を受賞した。
しかし、「あさりちゃん」を掲載してきた学年誌は近年苦境に立たされ、「小学五年生」と「小学六年生」が2009年ごろに休刊、「三年生」と「四年生」も2012年に休刊になった。
35年あまりの連載で多くのファンを獲得してきたが2013年12月25日、小学館が2014年2月1日発売の「小学二年生」3月号で完結すると発表した。コミックスも2月28日発売予定の100巻で完結となる。女性マンガ家による最多巻数作品として、ギネス世界記録に申請しているという。
「一つの歴史の終わり・・・。にしてもすごいな」
連載終了が報じられるとネットでは、
「おおお?マジかー好きだったのにーあさりちゃんーーーー」
「あさりちゃん100巻で終わりなんだって 残念」
「小2の娘が好きな漫画。俺が小4の頃にちょうど連載が始まっている。連載最初と連載最後を見届けることになるとは」
と残念がる声が多数出た。
「キノの旅」で知られるライトノベル作家の時雨沢恵一さんは、
「一つの歴史の終わり・・・。にしてもすごいな」「子供の頃の雑誌で、あさりちゃん姉妹が当時人気絶頂のピンクレディーと会話してるマンガ読んだことあるよ・・・」
と感慨深げにツイートした。
社会学者の古市憲寿さんもツイッターで、「え、それ今年一番のショックなニュースかも」と驚いていた。
「長く続いているマンガってそれがあることが当たり前すぎて、終わってしまうことが想像できない。なんていいながら、『あさりちゃん』は30巻以前は読んでないので、遡っていけばいいのか」
「あさりちゃん」と同時期からの長期連載では集英社の「週刊少年ジャンプ」で今も連載が続く「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(1976年連載開始)がよく知られている。