女性のかわいい口元の代名詞だった「アヒル口」に続く新勢力がじわじわと注目を集めているらしい。
その名も「カッパ口」。あの頭に皿を乗せた妖怪「河童」にちなんで付けられた名前だ。上くちびるを下くちびるにかぶせ、くちびるを少し内側に隠したようなV字の口を指すという。
アヒル口は「あざとい」「ぶりっ子」イメージ
口角がきゅっと上がり、口先を少し突き出したような「アヒル口」は、今や認知科学で魅力を読み解く本が登場するほど「かわいくセクシー」な口元として広く定着している。モデルのまつゆうこと、松丸祐子さんが火付け役となり、2010年ごろから爆発的ブームになったと言われているが、一般的には98年にデビューした歌手・鈴木亜美さんをはじめ、モデルの田中美保さん、女優の広末涼子さんらが「元祖」として知られている。
ブームを受け、もともとアヒル口だった女性以外も、意図的に作ることを「覚え」、写真を撮る際やここぞという時に即席のアヒル口を作り出すようになった。その場合、いかに自然にできるかが重要になるのだが、やりすぎてしまう例も少なくないようで、現在では「あざとい」「ぶりっ子」の文脈で語られることもしばしばある。
控えめで「少しはにかんだようなあどけなさが魅力」
そうした中、話題にのぼり始めたのが「カッパ口」だ。12月には、いくつかのニュース記事が取り上げたことで知名度が急上昇。代表的な「カッパ口」の例には、2013年のNHKの朝ドラ「あまちゃん」で大ブームを巻き起こした能年玲奈さんや、トリンドル玲奈さんの名前が挙がっている。とはいえ、こちらはアヒル口と違ってもともとの口元の特徴というわけではなく、くちびるを隠してしまう癖といった印象だ。突き出し気味で主張の強いアヒル口に対し、カッパ口は控えめで「少しはにかんだようなあどけなさが魅力」とも紹介されている。
現状では流行というほど目に留まることはないようだが、記事の影響でネット上では「カッパ口」を話題にする人が続出した。12月25日にはお笑いコンビ「NON STYLE」の井上裕介さんも「今、流行りのカッパ口をやってみた!!」として挑戦した画像をブログにアップしている。その上で、「ってか、見たこともない想像上のものを可愛いとする感覚・・・女子って、すごいなぁ」と感想を綴っている。
また、記事では紹介されていなかったが、ネット上の反応の中には「元祖」は能年さんやトリンドルさんではなく、お笑い芸人の鳥居みゆきさんではないかと指摘する声もある。実際にネット上の画像で鳥居さんの口元をチェックしてみると、確かにくちびるを隠してV字にした表情が目立つ。「カッパ口がいまいちどういうものか分からない」という場合は、参考になるかもしれない。