ビットコインに似たデジタル通貨を開発していた米教授
米IT系ネットメディア「TechCrunch」は別の候補者を示した。「スカイ・グレー」と名乗る研究者がブログで、ナカモト氏が米ジョージワシントン大学のニック・サボ教授だと指摘したというのだ。
この研究者の12月1日付のブログを見ると、サボ教授は1998年から数年間をかけて、中央銀行に制約されないデジタル通貨のメカニズム開発を手がけ、後に「ビットゴールド」と呼ばれるシステムを構築しており、これが最終的にビットコインにつながったと説明している。「TechCrunch」では12月5日付の記事で、「スカイ・グレー」氏のインタビューを掲載しているが、同一人物説を唱える根拠として、文章スタイルや言い回しが分析の結果非常に似ている、ビットコインが発表される数か月前にサボ教授がビットゴールドの共同研究者を探していた、ビットコインと類似した仮想通貨にもかかわらず、ナカモト氏の論文にサボ教授の研究が触れられていないのは不自然、などを挙げた。
「複数人説」もある。米誌「ニューズウィーク」を傘下に持つオンラインメディア「IBタイムズ」は12月16日、ビットコインの事情に詳しい人物の話として、欧州出身で金融機関に勤める数人である可能性が高いとした。ただし明確な根拠があるわけではなく「ナカモト氏のことは誰も知らない」と付け加えた。「ナカモト」とは偽名である可能性も指摘した。
前出のネルソン氏は「ナカモト氏は、ノーベル経済学賞間違いなし」と太鼓判を押した。仮に日本人だとすれば、この分野では初めての受賞となるのだが、本人が正体を明かす日はくるだろうか。