スマートフォンの普及が進むのに伴って、サイトもスマホに合わせたデザインが制作され、パソコンからアクセスする必要性が少なくなってきた。料理レシピや天気予報などはスマホのアプリですぐに確認できる。
そうした影響もあってか、パソコンからのネットサービスの利用が減少しているようだ。Yahoo、Googleなど大手サイトの訪問者数もマイナスになっている。
スマートフォンに移行した転換の年
調査会社ニールセンが2013年12月25日に発表した、日本のインターネットサービス訪問者数ランキングによると、トップ10にランクインしたサイトが2012年と比べていずれもパソコンからの訪問者数が減少した。同社では「ネットサービスの利用がPCからスマートフォンに移行した転換の年となった」と分析している。
調査には、4万人以上の「オンライン視聴者パネル」から集めた1月から10月までのデータを使用した。訪問者数の総合ランキング1位が「Yahoo!JAPAN」(対前年比7%減)、2位「Google」(9%減)、3位「FC2」(11%減)という減少ぶりで、4位「YouTube」は8%減、5位「楽天」も8%減だった。
またニールセンの発表した別の調査では、スマートフォンからのインターネット利用者数(アプリ利用・サイト訪問)が、パソコンからの訪問者数の65%に及んだ(2013年10月)。カテゴリ別に見ると「コミュニケーション」「地図、一般旅行情報」、「天気」の利用が多く、「食品、料理」にいたっては20、30、40代それぞれ世代で、スマホからのサイト利用者数がパソコンを上回っていた。
同社シニアアナリストの中村義哉氏は、
「若年層にリーチできるスクリーンとしてスマートフォンは無視できない状況であることは広く認識されていることですが、若年層以外の年代でもその利用がスマートフォンにシフトしてきているカテゴリがあることは注目すべきポイントです」
とコメントしている。
アダルトサイトもスマホからアクセス
また、アダルトサイトでもパソコンより携帯デバイスの存在感が大きくなってきた。大手アダルトサイト「PornHub」が発表した2013年の統計によると、同サイトへのアメリカからのトラフィック(通信量)うち、52%が携帯デバイスからだった。タブレット端末からは10%だ。前年の数値は携帯デバイス47%、タブレット端末7%だったため、どちらも増加していることがわかる。一方でPCからのトラフィックは38%で、前年より8ポイントも低下した。
日本からのトラフィックも同様の傾向だ。PCからのトラフィックは66%だが、前年から6ポイント減少した。携帯デバイスは27%で2ポイント増え、タブレット端末も数値を伸ばしている。アメリカと同様に日本でもスマホやタブレットの普及が進みつつあるため、今後さらに数値が変動すると見られている。
スマホからアクセスしたアダルトサイトに関する相談も増えていて、独立行政法人国民生活センターによると、2013年度の相談件数1174件あり、昨年度同時期の427件と比較して3倍近くになった。