【J-CASTが見た2013年】第5回
在特会、しばき隊、ヘイトスピーチ…… ネトウヨがメディアの「コンテンツ」になった

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「ネトウヨ」書籍出版が相次いだ2013年

   「ネトウヨ」をめぐっては最近、デモなど「リアル」でのニュースが多く、「もはや『ネット』右翼ではない」というような指摘もある。もっとも、ネットを舞台にした「炎上型」の話題も相変わらずなくなったわけではない。

   人気アイドル・ももいろクローバーZのメンバーが、社会学者の古市憲寿氏との対談で「もっとちゃんと韓国の言い分も知りたい。歴史のこととか」と述べた際には、ネットの一部が反発する騒動が勃発した。ほかにも有名人では、「在特会VSしばき隊」の攻防を含む映像をライブで使用したサザンオールスターズ、「(ネトウヨは)社会の足を引っ張る存在になる」と言及して炎上、発言を撤回した俳優の伊勢谷友介さんなどをめぐる話題が目立った。

   このように話題が絶えなかった「ネトウヨ」に関して、電子書籍『ネトウヨとは何か』を12月に刊行したJ-CASTも含め、2013年はさまざまな角度から切り込んだ出版が相次いだ。

   中でも「ネトウヨ」の本質が若年層の貧困ではなく、ミドルクラスの「アンチ・既存メディア」だと論じた古谷経衡氏の『ネット右翼の逆襲』(総和社)は話題に。年末には岩波新書で師岡康子氏が『ヘイト・スピーチとは何か』も。当事者、特に「しばき隊」側からも、主宰の野間易通氏による『「在日特権」の虚構』(河出書房新社)を筆頭に、やはりメンバーのnoiehoie氏の『保守の本分』(扶桑社新書)、山口祐二郎氏の『奴らを通すな!』(ころから)、さらに共闘関係にある有田芳生参院議員の『ヘイトスピーチとたたかう!』(岩波書店)と、立て続けに著書が刊行された。一方の在特会では、桜井誠会長が『在特会とは「在日特権を許さない市民の会」の略称です!』(青林堂)を上梓している。

   2013年という年は、「ネトウヨ」という事象が、大手出版社も含め、既存メディアも無視できない1つの「コンテンツ」になった1年ということができるかもしれない。

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