「ネット右翼(ネトウヨ)」――2013年は、その存在感が大きく強まった1年だった。ごく一部のネットメディアしか報じることのなかった「嫌韓デモ」には大手マスコミが我先に駆けつけ、「ヘイトスピーチ」なる言葉はとうとう流行語大賞のトップテン入り。関連書籍の出版も相次ぎ、業界は「ネトウヨブーム」の感さえあった。
J-CASTニュースでも、こうした「ネトウヨ」と呼ばれる層の動向、その主張をめぐる議論、あるいはそもそも「ネトウヨ」とは何なのか――といったテーマを以前から何度か取り上げてきた。その中から特に反響の大きかったものを取り上げ、2013年を振り返りたい。
在特会VSしばき隊の対立に注目大
とはいえ、「ネトウヨとは何か」という定義は今なおあやふやだ。時には、かなり恣意的に使われている節もある。そうした問題は承知の上で、今回はあえて広く、「ネトウヨと呼ばれる層・主張、あるいはその周辺の話題」というくくりで記事をセレクトした。
1位:日韓戦「旭日旗」掲げた男の「正体」 横浜FMは「無関係だ」と異例の声明(8月5日)
2位:「頭おかしい自称皇族」「もっとまともかと…」 竹田恒泰氏VS池田信夫氏、「在日特権」で激突(11月14日)
3位:ももクロ「韓国の言い分知りたい」発言が波紋 「反日アイドルだ!」とネットの一部で反発(8月16日)
今年、「ネトウヨ」をめぐり最もクローズアップされたのは「在日特権を許さない市民の会(在特会)」などの団体による東京・新大久保でのデモ活動、およびそれに対抗した「レイシストをしばき隊(しばき隊)」などとの攻防だろう。
在特会の桜井誠会長を含め双方の関係者が逮捕される事態にも発展したこの対決だが、ネット上では特に、抗議側である「しばき隊」の存在に関心が集中した。そんな中で起こったサッカー日韓戦をめぐる騒動は、一種の「政治問題」となったことに加え、旭日旗を振ったサポーターがしばき隊メンバーと交流があるとされたことから、特に注目を集めた。男性はツイッターを通じ、自身がしばき隊のメンバーだとする説を否定、あくまで韓国サポーターによる「安重根横断幕」などの挑発への報復だったと主張したが、しばらくの間、議論は絶えなかった。
なお、しばき隊は関連団体による集大成的デモ「東京大行進」終了後の10月、新団体「C.R.A.C」に発展的解消している。「しばき」といういかにも攻撃的な看板はひとまず下ろした格好だが、警察庁は12月に発表した「治安の回顧と展望」の中で、2014年も「右派系市民グループ」と「反対勢力」のトラブルが引き続き発生するとの見方を示している。