10年ほど減少続いたが民主党政権で増加に転じる
沖縄振興予算は1998年度の4713億円をピークに減少が続き、11年度には2301億円まで下がった。だが、民主党政権下の12年度には使い道の広い「沖縄振興特別推進交付金」を創設するなどして2937億円と増加に転じ、自民党に政権が戻った13年度も3001億円と増加を続けていた。
安倍首相が仲井真氏にした「約束」によると、13年度と同水準の沖縄関連の予算が21年度まで計上されるとみられる。つまり、13年度の会計を見ると、交付金がどのような形で使われるか、ある程度想定できるとも言える。
13年度の沖縄県の当初予算ベースでは歳入が6988億2500万円で、そのうち政府からの沖縄振興一括交付金が1613億1100万円。歳入の23.1%を占める。この交付金は沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)803億円と沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)810億円に分かれている。
ソフト交付金の内訳を見ると、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業(17.9億円)、沖縄型クラウド基盤構築事業(38.1億円)、沖縄観光国際化ビッグバン事業(23.5億円)といった離島振興、IT、観光への投資が目立つ。また、農林水産物を本土に出荷する際の運賃を補助する「農林水産物流通条件不利性解消事業」にも22.6億円が投じられている。
ハード交付金の内訳は、その名前からも想像できるように、最も多いのが道路で262.9億円。主に石垣島の電柱の地下化に費やされている。