高橋洋一の自民党ウォッチ
評価できる「韓国軍への銃弾供与」 批判的な一部マスコミは的外れだ

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「(事件は)現場で起きてるんだ!」

   それが先鋭的な違いになるのが、実際の現場での対応である。今回の南スーダンでのように、政府の言うとおり韓国からの要請があった場合、今回の銃弾供与に慎重派では、要請を受けないか、これまでの国会答弁を検討し慎重対応するというだろう。一方、積極派は、供与しなければ韓国軍を見殺しにしたと国際的に非難されるので国際協調や人道的立場から要請を受ける、となる。

   こうした慎重派と積極派のやりとりをみていて、筆者は人気テレビドラマ「踊る大捜査線」での、有名なセリフ「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」を思い出してしまった。

   現場が本部会議室の指示を無視して暴走するのは、絶対に阻止しなければいけないが、緊急時に国際常識に反することを本部会議室から現場に指示するのはやめたほうがいい。

   それと、今回の銃弾供与でわかったことは、相手国の要請でもタイミングさえ間違えなければ、特定秘密でないということだ。韓国軍の銃弾不足は、ある時点まで軍事秘密だろうが、それを過ぎれば軍事秘密でもなんでもない。情報は隠さずに、うまく公開すれば国益になることがわかる。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2005年から総務大臣補佐官、06年からは内閣参事官(総理補佐官補)も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「財投改革の経済学」(東洋経済新報社)、「さらば財務省!」(講談社)など。


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