「霊感商法による違法な資金集めなどが活発化する恐れがある」
統一教会を巡っては、現在でも被害者が続出している。そのため、広告塔である桜田さんの口から謝罪や脱会の言葉がないまま、「復帰話」が持ち上がることについては批判的な声も少なくない。12月24日には「全国霊感商法対策弁護士連絡会」と「全国統一教会被害者家族の会」の2団体が桜田さんの活動再開に反対する声明を発表した。連絡会メンバーで霊感商法に詳しい紀藤正樹弁護士は、J-CASTニュースの取材に対し「桜田さんの芸能活動は信者の士気高揚につながり、正体を隠した勧誘活動や、霊感商法による違法な資金集めなどが活発化する恐れがある」と警鐘を鳴らす。
信者の多くが献金や信者勧誘のノルマ達成に酷使される中、桜田さんは教会内で特別な扱いを受けている。その影響力は非常に大きく、対内的には信者の気持ちを鼓舞する「雲の上の存在」であり、対外的には統一教会のイメージアップにつながる「広告塔」として存在感を示しているという。今回のコンサートは統一教会の主催ではないが、紀藤弁護士は「彼女は自身の行動に対する決定権を持っていない。コンサートは教会が持ちかけた、または持ち上がった企画を教会側が許可したものであることは間違いない」と指摘する。その背景には、教祖の文鮮明が12年に死去したことにより求心力が弱まっている教会内部の事情があるという。「教会内はガタガタな状態で、資金繰りも厳しくなっている。桜田さんの復帰で信者の士気を高揚させようという目論見だろう」(紀藤弁護士)。
桜田さん本人は今後の活動について、今のところ言及していないが、仮に復帰を望んだとしても厳しい状況にあるようだ。信者である以上、スポンサーが付きにくいことは間違いない。また、コンサートを訪れたサンミュージックの相沢正久社長も各取材に対し、桜田さんが脱会しない限り同事務所での復帰はないと断言している。活動再開に動くならば、被害者への謝罪、そして教会との決別を公表することが条件となりそうだ。