2020年の東京五輪開催に向けて、14年7月から解体が始まる国立霞ヶ丘陸上競技場(国立競技場、東京・新宿区)で、14年3月にももいろクローバーZ(ももクロ)、AKB48が立て続けにコンサートを開催することが決まった。
これに対し、6年連続で国立でコンサートを開催している嵐の一部ファンが「国立といえば嵐なのに!」と激怒する事態に。一方、国立競技場はその名の通り「競技場」で、「アイドルの聖地なんかではない」と違和感を覚える人も多いようだ。
「嵐が最後のアーティスト」と報じられていた
3月の国立競技場でのコンサート開催を発表したのはAKBが先だった。
13年12月17日に行われたイベント「AKB48紅白対抗歌合戦」で、14年3月29、30日の2日間にわたって開催するとのサプライズ発表があった。
これが報じられると、なぜか嵐ファンから怒りの声が上がった。
嵐は08年から13年まで6年連続で国立でのコンサートを開催するという偉業を成し遂げているが、13年のコンサートでは殊更に「最後の国立」ということが強調されていた。メンバーの櫻井翔さん(31)や二宮和也さん(30)が「俺たちが国立の最後の人だ」と言ってファンを盛り上げていたほか、コンサートの模様を報じたサンスポの記事でも「現存の国立でのラストライブ。嵐が最後のアーティストだ」と書かれていた。
「嵐が国立最後のグループ、特別な存在だと思っていたのに」という気持ちが一部のファンを怒りに駆り立てたと思われる。ネット上では、「国立は嵐の聖地…。嵐が国立最後のLIVEだと思ってた」「俺たちでさいごだねって言葉をまるでなかったかのように潰しにくるAKB48」「嵐さんが最後って言ったなら それ守って欲しい みんなの想いどうなるの」などと書き込まれた。
「国立競技場はコンサート会場じゃないんだよ」真っ当なツッコミも
AKBの発表から約1週間後の12月23日、今度はももクロの国立でのコンサート開催が、同日行われたイベント「White Hot Blizzard MOMOIRO CHRISTMAS 2013 美しき極寒の世界」で発表された。14年3月15、16日の2日間で、先に発表していたAKBより2週間先となり、「女性アイドル初の国立コンサート」はももクロの物となった。
ももクロは13年の元日に「国立競技場でのワンマンライブが目標」と宣言していた。AKBのコンサート開催が決まった時、ももクロファンからも「嫌がらせか」「ももクロに喧嘩売ってんすか」など文句が出ていた。
一転、ももクロの方が先に開催するということで、「AKB決まって無理かと思ったけど、先にできるんだね。よかった」「ももクロがAKBを抜いたーー!国立!」とももクロファンからは喜びの声が。スポーツ紙なども「AKBより先」という見出しで報じた。それを受けてAKBファンは「国立でライブする女性アイドルはAKBが最初って言ってたのに、ももクロが後から発表して落胆した」「AKBよりも2週間早いとか対抗意識燃やしすぎだろ」と怒り呆れ、また嵐ファンも「嵐で最後って言っててAKBがトリ持って行っちゃって、って、え?AKBの前にももクロもやるの?」「国立競技場でやることがどんなにすごいことか。その凄さと感動とかもうなくなんじゃんwwww」と戸惑っているようだ。
ネット上ではアイドルファン同士で「聖地」の奪い合いのようになっているが、国立競技場はあくまで「競技場」で、スポーツファンにとっては「サッカーやラグビーの国際試合をやる会場」「高校サッカーの聖地」というイメージが強い。どのグループのファンでもない人からは「国立"競技場"漢字読めるか?嵐ファンよ 何が嵐の聖地だよふざけんな 国立競技場はコンサート会場じゃないんだよ」「国立霞ヶ丘競技場は、AKBのものでも、嵐のものでもない。(いわんや、ももクロをや。)」「国立だから国民のものだよね」などと突っ込まれている。