猪瀬直樹東京都知事の辞任表明を受けて、注目は早くも後継者争いに移った。今のところ誰も正式に出馬を表明していないが、報道では候補者予想が騒がしくなっている。
知名度の高い政治家やキャスターの名前が挙がるなか、一部マスコミが「大穴」とその名を出したのが、ビートたけし氏。本人は「やるわけないっての」と否定するが、「まさか」の事態が起きるのか。
記事の「永田町関係者」は「知らねーもの」
「混迷都知事選レースにビートたけし急浮上!?」
「週刊文春」2013年12月26日号は、こんな見出しの記事を掲載した。大部分は猪瀬知事辞任と、衆院議員を辞職したばかりの東国原英夫氏の動向に焦点を当てている。今のところ東国原氏本人は「予定なし」と話しているが、知人は「出馬あり」という趣旨の発言をしているそうだ。だが同誌の読者アンケートでは不人気で、92%が「都知事にふさわしいとは思わない」と回答したという。
記事はさらに続く。自民党幹部が「ウルトラCとして、ビートたけしは面白いと思っている」とコメントしたというのだ。2020年の東京五輪に並々ならぬ情熱を持ち、官邸の「アジア文化交流懇談会」の委員としても活動した。「あり得ない話じゃない」というわけだ。
12月21日付のスポーツニッポンは、さらに踏み込む。同紙の独自取材として「ビートたけしの名前が永田町で急浮上している」というのだ。政治評論家の浅川博忠氏は、自民党の候補として前参院議員の舛添要一氏と、現職の参院議員・丸川珠代氏が本命とする一方で、たけし氏が出馬に意欲的という話を「聞いたことがある」とし、自民が舛添、丸川両氏に断られたら「たけしさんにのる可能性はある」と指摘した。
また「永田町関係者」の情報として「10日ほど前、周囲に『オレやろうかな』とかなり真剣に話していた」と報じ、弟子の東国原氏には「都知事選には出るな」と指示したそうだ。
本人は12月21日放送の「情報7daysニュースキャスター」(TBS系)に出演、冒頭で「私も大変なんですよ」と切り出し、スポニチの報道を取り上げた。記事中の「永田町関係者」は「永田町、知らねーもの」、また「10日前」は「米国でゴルフやってた」とけむに巻いた。さらに「今日サウナ行ったら『タケちゃん、がんばってね』『俺が(選対)本部長やりましょうか』って声かけられたよ」と明かしてスタジオは笑いに包まれた。「選挙に出るわけがない」というトーンだ。