「キム・ヨナがいなかったら、私は成長していなかった」 浅田真央、ライバルへの「感謝」を明かす

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   2014年2月に開幕するソチ冬季五輪で最も注目されるとみられるのが女子フィギュア。とりわけ、浅田真央選手とキム・ヨナ選手との対決では、日本のファンは10年のバンクーバー五輪のリベンジを、韓国のファンは2連覇を切望している。

   二人はともに年齢が23歳で、ソチ五輪を最後に、現役引退を表明しているという点でも共通しており、「外野」での騒ぎも大きくなりそうだ。ただ、本人たちはお互いをよきライバルとして認め合っているようだ。

タラ・リピンスキー「ブランクがあってもキム・ヨナならできる」

浅田選手は12月21日に開幕する全日本選手権で正式に代表入りが決まる(2010年撮影)
浅田選手は12月21日に開幕する全日本選手権で正式に代表入りが決まる(2010年撮影)

   韓国メディアが注目しているのが、2013年12月18日に米NBCテレビのウェブサイトに掲載された元五輪選手のタラ・リピンスキー氏とジョニー・ウィアー氏との対談だ。NBCは米国で五輪を放送予定で、2人も解説者として登場する。

   リピンスキー氏は、

「ブランクを克服して五輪に出場するのは想像よりも難しいが、キム・ヨナならできる」

とキム・ヨナ選手に軍配を挙げた。一方のウィアー氏は

「五輪シーズンを控えて着実にペースを引き上げている」

として、浅田選手が優勢だとみている。

   韓国メディアは総じてこの対談を「交錯した予想」だとして報じているが、その解釈はさまざまだ。東亜日報は、

「二人とも熾烈な戦いになることでは意見が一致した」

と抑制的だが、ハンギョレ新聞は、

「勝者を決める最大の不確定要素は『キム・ヨナの実戦感覚』」

だと対談の内容をまとめた上で、

「キム・ヨナが本来の力を見せれば浅田はライバルにならないという意味だ」

と解説。キム・ヨナ選手が優勢だと主張した。

韓国ニュースサイトは日刊ゲンダイ記事を「逆ギレ陰謀論」

   韓国メディアの矛先は日本メディアにも向けられている。

   日刊ゲンダイは12月9日、「真央最強の敵はプーチン大統領」と題する記事を掲載。この記事では、

「ソチ五輪開催国・ロシアが国家ぐるみで女子フィギュアの金メダル獲得に血眼になっている」

として、

「連覇を目指すキム・ヨナだけをマークしてしていればいいというわけにはいかない」
「浅田真央はトリプルアクセルを完璧に跳んでもロシア選手の前に屈するかもしれない」

と警告した。これが「キム・ヨナは相手ではない」という主張に受け止められたのか、韓国のニュースサイト「デイリアン」は、この記事を「逆ギレ陰謀論を展開」と一刀両断。

「総額数兆円の国費をソチ五輪に使いながら惨敗では、国民の不満は爆発する。ひいてはプーチン政権の崩壊にもつながりかねない」

という記述には、「重度の誇大妄想」とあきれるほどだった。

   「デイリアン」の記事では、「誇大妄想」だとする理由を

「(日刊ゲンダイの主張は)理屈に合わない。浅田がトリプルアクセルを果たす可能性は低いからだ。今年のグランプリでも成功率0%だった。かろうじて着地しても回転数不足で減点にあうのが常だ」

と説明。浅田選手が劣勢だといいだけだ。

キム・ヨナ「浅田真央がいなかったら今の私はなかっただろう」

   周囲のヒートアップぶりとは対照的に、2選手は冷静だ。

   浅田選手は韓国の東亜日報のインタビューに対して、

「キム・ヨナ選手がいなかったら、私は成長していなかったはず」

と答え、MKスポーツによると、この発言を伝えられたキム・ヨナ選手は、

「浅田真央がいなかったら今の私はなかっただろう」

と答えたという。

   浅田選手は12月21日にさいたまスーパーアリーナで開幕する全日本選手権で正式に五輪代表入りが決まる。キム・ヨナ選手も14年1月の韓国選手権に出場予定で、代表入りは確実だ。

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