急成長の原動力は「店長」への裁量
王将フードサービスは最高益を記録した2011年3月期決算以降、既存店の売上高が伸び悩み、また材料費や人件費の上昇で利益面でも苦戦している。13年9月期決算では、売上高は前年同期比1.6%増の374億円と健闘したが、営業利益は19.5%減の36億円だった。
大東前社長は2000年の社長就任後、約470億円の有利子負債を抱えるなど経営不振に陥っていた同社を、中華チェーンに特化して、店内調理を重視する体制に転換することで立て直し、低価格路線でデフレ下に成長した。
その原動力の一つが、メニューの開発などで店長の裁量を広く認めたことだった。
同社の場合、1店舗あたりの年間売上高は平均で1億円超にのぼるので、店長が感じるプレッシャーは小さくない。一般に外食業は初年度に3割が辞めるとされるが、企業側にしてみれば、「厳しい研修で脱落するのであれば、そのほうがいい」ということなのかもしれない。