石原氏は安倍首相に「非常に困っている状況」
12月18日には、これ以外にも猪瀬氏の「外堀を埋める」動きが相次いだ。
午前には、自民党の高村正彦副総裁が、5000万円を受け取るという「外形的事実だけで知事自身が出処進退を決断するのに十分」と述べた。自民党の幹部が公の場で辞任を要求するのは初めてだ。
猪瀬氏を後継指名した日本維新の会の石原慎太郎共同代表は、安倍晋三首相と一緒に昼食をとり、その席で猪瀬氏のことも話題になった。同席した日本維新の会・平沼赳夫国会議員団代表が記者団に明らかにしたところによると、石原氏は猪瀬氏について「非常に困っている状況」と安倍首相に話していたという。その後、安倍首相は自民党の萩生田光一総裁特別補佐(衆院東京24区選出)を官邸に呼び、猪瀬氏に関する情報収集を指示したと伝えられる。政府・与党としては五輪組織委員会のトップ人事の遅れを懸念しており、猪瀬氏の辞任で早期の事態打開を図りたい考えだ。
一方の石原氏は、猪瀬氏と会談。この場で石原氏が猪瀬氏に辞任を促した可能性もある。
猪瀬氏が都知事として初登庁したのは12年12月18日で、わずか1年での辞任となった。公職選挙法の規定では辞職後50日以内に都知事選が行われることになっており、早ければ2月中旬にも行われる。