東京都の猪瀬直樹知事が2013年12月19日午前、緊急記者会見を開くことになった。猪瀬氏は、すでに医療法人「徳洲会」グループから5000万円を受け取った問題の責任を取る形で辞意を固めており、会見で表明する。
都議会の総務委員会では約20時間にわたって集中審議が行われたが、答弁が二転三転したとして議会側は「百条委員会」の設置を決定。中央政界からも辞職を求める声が高まっており、辞任しなければ都政や2020年東京五輪の開催準備に支障が出ると判断したとみられる。
20時間の集中審議でも全く信用されず
猪瀬氏は都知事選の告示直前の12年11月に5000万円を受け取り、13年9月に徳洲会が公職選挙法違反事件で東京地検特捜部の強制捜査を受けてから全額を返却していた。 5000万円の問題をめぐっては、少なくとも(1)受け取った目的(2)受け取った後、どこに向かったか(3)貸金庫からどのタイミングで出し入れしたか(4)受け取る2週間前に行われた徳田虎雄前理事長との面談の中で東電病院についての話題が出たかという点で、猪瀬氏の都議会での答弁は二転三転、虚偽の答弁をした疑いが持たれてきた。
このため、議会側は猪瀬氏の答弁が信用できないとして、12月18日には地方自治法に基づいた「百条委員会」を設置する方針を決定。同委員会では、関係者の出頭や証拠提出を求めることができる調査権があり、正当な理由なく証言を拒んだり虚偽答弁をしたりした場合には罰則がある。答弁が二転三転してきた猪瀬氏からすれば、いよいよ追い詰められた形だ。