福岡県の男性職員(52)が20年以上にわたり、声優の副業をしていた。結構な売れっ子で、サントリー、ホンダ、九州電力といった一流企業のテレビCMのナレーターも務めていた。
地方公務員法では許可なく副業をすることが禁じられており、県は地方公務員法違反の疑いで懲戒処分を検討している。それにしても、看板番組まででて、どうしてバレれなかったのか。
タレント名はマイケルT
福岡県によると、外部からの指摘で男性職員が声優の副業をしている疑惑が持ち上がった。県の調べに対して「悪いことと分かっていたが、声優に未練があり辞められなかった」と副業の事実を認めているという。
男性はマイケルTというタレント名で活動していた。所属事務所は2013年12月17日、「スケジュール管理及び事務代行業務を打ち切りました」とウェブサイトで発表し、プロフィールなどを削除した。
以前のサイトでは、顔写真は掲載されておらず、「声のみで勝負致します」というコメントを寄せていた。プロフィールによると、「ハリのある声質でシリアスからバラエティ系まで幅広くこなす」ナレーターで、「一声聴いただけでたちまち魅了されてしまう、シブ~イ低音ボイスの持ち主」。サイト内でサンプルボイスを試聴してみると、低音のよく響く聞き取りやすい声で、セリフやBGMによって声の調子も変えられる本格的なナレーションだった。
代表作として挙げられているテレビCMは、サントリー、NTT、ホンダ、サッポロビール、ハウステンボス、三越、イオン、JR九州、九州電力など、大企業な名前がズラリと並ぶ。
CMだけでなく、FBS福岡放送「めんたいワイド」、NHK福岡放送局「トンコツTV」「トンコツRADIO」TNCテレビ西日本・BSフジ「ドラゴンゲート特番」などでもナレーターを務めていた。
プロフィール説明には、
「声の印象からダンディーなキャラクターと思われがちですが、おしゃべり好きで素朴&純情、チャーミングなお人柄」
と書かれている。
昼は公用車の運転手、夜はスタジオでCM収録
福岡県によると、男性職員は県土整備部に所属しており、昼間は出先機関で公用車の運転手として働いている。定時の17時ごろに仕事を終えると福岡市内のスタジオに向かい、テレビCMのナレーション収録などに臨むという生活だった。月に8回程度の声優業で、年間約200万円の報酬を得ていた。
男性は1991年に福岡県に採用されて1993年から現在の仕事をするようになった。公務員になる前から声優の活動を続けていて、数々のテレビ番組やCMでナレーションをしながらも、20年以上も隠し通すことに成功していた。
過去には職場で「コマーシャルに出てくる声に似ている」と指摘されたことがあったが、「昔声優をやっていたが今はやっていない」と切り抜け、自宅と反対方向の電車に乗るところを目撃されていたが、副業が発覚することはなかった。
普段の勤務状況は「真面目できちんとしている」印象だったと言い、職場では驚きの声が広がっているそうだ。
2ちゃんねるでは、「声優を本業にしても食べていけるな」「声優一本でがんばれよこれからは」などの書き込みが出ている。