島根県松江市の島根県庁の時計が午前1時35分を指したまま約250台が一斉に停止した。12月16日のことで、島根県庁は原因が分からないとして時計メーカーに調査を依頼しているというが、新聞の地方版では、通常では説明のつかないオカルト的な現象、「ポルターガイスト現象」ではないかと騒ぎになったなどと報じられている。
オカルトじみた現象にネットでは、「地震など天災の予兆ではないか?」「竹島問題を巡る韓国工作員のテロなのでは?」などと盛り上がっている。
「なぜ止まったのかは分かっていません」
島根県庁の管財課によると、時計が止まったのは2013年12月16日午前1時35分ごろ。本庁舎、分庁舎、南庁舎、議事堂別館の4棟の時計約250台で、気が付いたのは職員が登庁した午前8時ごろ。時計は30~40年前に設置したものだが、こうしたトラブルは今までに起きたことがなかった。近くで落雷があったわけでもなく、停電でもないらしい。約250台の時計は本庁舎1階の親機と電線でつながっていて自動で時刻を合わせる仕組み。親機は通常通り動いていたという。時計が止まってから約12時間後の昼に業者を呼んで直させたが、
「なぜ止まったのかは分かっていません。現在業者が調査していて、早期に原因を突き止めたいと思います」
と管財課の担当者は話している。
この奇妙な出来事に産経新聞は「ポルターガイスト現象ではないか」と一時騒ぎになったなどと報じた。ネットでは、天災が起こる前ぶれで何らかの磁場が発生したのではないか、とか、愉快犯によるテロなのではないか、竹島問題に何らかの関係があるのではないか、などと掲示板などで議論が交わされている。
専門家「止まったのは単純な理由」?
松江市にある時計店に話を聞いてみると、島根県庁の時計は親時計と子時計を電線で繋いだ設備時計、システム時計と呼ばれるもので、親時計が出した信号が子時計に伝わり同じ時刻が表示される仕組みになっているのだという。親時計が子時計を制御しているため故障などで動かなくなれば子時計の動きは一斉にストップする。親時計が正常に動いていたとしても信号を伝達する機械が故障していれば子時計は止まってしまう。
「子時計が止まったのは信号を出す部分が故障したという、とても単純な理由だと思いますよ。そりゃあ30年以上も使っていれば故障もするでしょう。オカルトなんかではありませんよ」
と時計店の担当者は笑う。都内にある設備時計メーカーの話では、今でも国の機関や空港、駅などの公共の場所では、電線で親時計と子時計を結んだ設備時計を使うのが主流で、島根県庁のような時計の「事故」が起こらないように、導入した施設や会社では専門の業者と保守契約を結んで時計の管理をしているのだという。
はたして原因は「信号」の故障なのか、解明が待たれる。