今や学生の人生を左右するほどの一大事「就職活動」、面接に落ちるというのは何度経験しても嫌なもので、それを企業の社員に言いふらされたとしたら辛い気持ちになるだろう。
そんな「辛い事態」が、レシピサイト「クックパッド」の採用の場で実際に起こっていたことが、あるネットユーザーの「告発」で明らかになった。ネット上では批判が巻き起こり、クックパッドが事実説明のニュースリリースを発表する事態に発展した。
「採用関係は最もセンシティブな個人情報だよ」批判続出
あるユーザーの「告発」は2013年12月17日、マイクロブログサービス「Tumblr(タンブラー)」に投稿された。
「以前クックパッ○の面接を受けたんだけど、一次面接で落ちた。まあそのことは別にいい。しかしその後、クッ○パッドの社員の××(原文は実名)さんという人に、僕が面接に落ちたことを共通の知人に言いふらされるということがあった。そのことで僕は非常に嫌な思いをした。『毎日の料理を楽しみに』とは良く言ったものだ。僕にとってこの出来事は完全に飯マズな記憶となった。あー今日も飯がまずい。××さんにはあれがどういう意図だったのかきちんと説明していただきたい。」
この投稿はネット上で拡散され話題に。「個人情報の扱いに疑問を持つ事件だ」「これ本当なら落ちた情報どころか、誰それが面接に来たって情報すら漏らすのも論外だよね」「採用関係は最もセンシティブな個人情報だよ。知り合いだからでは許されないよな…」といった意見が書き込まれた。
また、クックパッド広報のツイッターアカウントあてにも「将来、御社の採用試験を受験したいのですが不安になります…」といったリプライが寄せられた。
該当の社員は「譴責処分」に
「告発」を投稿したユーザーはその後、ツイッターで「本人から『あまり適切ではなかったとおもいます。お詫びします。』というメッセージはいただきました」と進捗を報告した。
さらに12月18日になって、「白金台ついた」「クックパッドなう!」と、港区・白金台のクックパッド本社に出向いているとツイート。直接の話し合いで決着がついたようで、クックパッドの企業サイトに「当社への応募情報の不当な開示に関して」というニュースリリースが掲載された。
「昨日、過去に当社の面接を受けてくださった方から、当社社員に自身が不採用となった事実を第三者に不当に開示された、とのご指摘をいただきました。事実確認いたしましたところ、約2年前に当社の面接を受けてくださったこの方と当該社員とが既知であり、ご指摘いただいたような情報を当時知人1名に開示したことを確認いたしました。当社従業員が秘匿すべき情報を第三者に開示した事態を重く受け止め、当社としてこの方に対して直接謝罪申し上げました。」
なお、この社員には始末書を提出させ注意する「譴責(けんせき)処分」を下すとのことだ。