バラではなく「紙袋ごとカバンに入れた」と証言していた
思えば、5000万円の「借用書」を公開した際も失笑を買った。11月26日に緊急会見を開いて報道陣に見せた借用書は、A4サイズの紙1枚に自らの署名が入った簡素なもの。押印もなければ収入印紙も張られていない状態で、ネット上では格好の「からかいネタ」となってしまった。猪瀬知事が掲げる借用書の写真をコラージュしたものが多数、出回った。
今回のカバン騒動では、5000万円をひと包みではなく札束を細かく分けて詰めれば入ったのではないか、との指摘もある。ところが知事は事前に「紙袋の中に札束が入っていて、紙袋ごとカバンに入れて持ち帰った」と説明していた。「バラ」では入れていないと自ら明かしたようなものだ。また、議場で長橋都議から5000万円サイズの箱の「模型」を提示された際、全く形状が違っていたなら「そんな箱状のものをカバンに入れてはいない」と否定することもできた。しかし知事は特に反対意見を述べていない。知事にとっては、ファスナーが閉まらなかったカバンの中にキチンと「入っていたはず」なのだろう。
最初からウソをつくつもりだったら、わざわざ小さいサイズのカバンを提出する必要はない。だが知事が「本物」と主張したカバンは、5000万円の札束が入りそうもないことが分かった。自ら首を絞める行為のようで何とも不可解だ。別の事実関係でも答弁が二転三転している知事だけに、ネットでは「実は10万円金貨で受けて取りました ほら入るでしょ!とか言い出さないかな」と、妙な期待を寄せる向きもある。