フランスのとあるカフェが導入した「価格表」が世界中から注目を集めている。提供メニューは同じ「コーヒー」なのだが、注文マナーによって価格が変わるというのだ。
ぶっきらぼうな言い方をすると、日本円にして1000円近く請求されてしまう。ユニークなマナー向上キャンペーンとして日本でもさっそく話題になっている。
頼み方次第で800円の差
「コーヒー」7ユーロ
「コーヒーください」4.25ユーロ
「こんにちは、コーヒーください」1.40ユーロ
このユーモアのある価格表を出したのは、南仏の観光都市ニースの「ラ・プティット・シラー」というカフェだ。頼み方一つでかなりの差が生じるが、出てくるコーヒーは全く同じもの。もともとの価格は分からないが、コーヒー1杯の価格は、パリで平均1.4~2.7ユーロ(約200円~400円)程度とされているため、最も丁寧な頼み方をした場合が本来の価格ということになるのだろう。7ユーロは日本円にすればおよそ1000円だ。つまり、客はどうしても「こんにちは、コーヒーください」と頼まざるを得ないというわけだ。
店長は「もともとは冗談で始めたもの」と説明している。ランチタイムにはピリピリした客がやってきて、時折店員に対して失礼な態度でコーヒーをオーダーする。店長はこうした態度に辟易し、マナー改善を促すつもりで導入したそうだ。
「日本でもやってほしい!」の声は多いが…
効果は絶大だった。実際、店長は高額の支払いを求めたことは一度もなかったどころか、客は笑顔をふりまいたり、大げさなほど丁寧な注文をしたりするようになったのだという。そして、勘定をみると「あなたはいい人だ」と言うようにもなり、店内も明るい雰囲気になった。
このニュースは、米タブロイド紙「デイリーニューズ」や英フリーペーパー「メトロ」など複数の海外メディアが2013年12月11日までに伝えた。いずれの記事も多くの反響を呼んでいる。同じころから日本でも話題になっていて、インターネット上には「これ客も気分良くなるのでは?」「これは確かにいい考え」「挨拶が元気にかわされる社会は健全だ。それに気が付かせてくれる施策は面白いね」といった声があがっている。
日本でもやってほしいとの声も多いが、日本には少なからず「お客様は神様」といった風潮がある。「ファッションセンターしまむら」の店員が客に土下座させられたように、モンスタークレーマーなるものも存在する。こうした事情を考慮し「これ日本でやると何様のつもりだとか言って批判する人いるんだろうなあ」といった意見も出ていた。