毎年恒例の「タレント番組出演本数ランキング」でお笑いコンビ「バナナマン」の設楽統さん(40)が2連覇を達成した。
芸人としてはもちろん、司会者、役者としても活躍し、マルチな才能をみせている設楽さん。相方の日村勇紀さん(41)も「ゴールデン帯ランキング」では4位と健闘し、ピンでもコンビでも引っ張りだ。ここまで人気があるのはなぜだろうか。
「品のよさ」「何でもこなせる頼もしい存在」
ニホンモニターが2013年12月12日に発表したランキングによると、ベスト3は上から、設楽さん、「ハリセンボン」近藤春菜さん、有吉弘行さんとなった。設楽さんの出演番組本数は615番組で、2位の近藤さんとは50以上もの差がある。設楽さんは現在、8本のレギュラー番組を抱えている。単独で出演している生活情報番組「ノンストップ!」(フジテレビ系)や、料理番組「~世界にひとつ~ミラクルレシピ!」(テレビ朝日系)ではソツのないMCをこなし、春にはゴールデンタイムの連続ドラマで捜査1課警部補を熱演した。特に司会者としての評判は高く、一部では「とくダネ!」(フジテレビ系)の次期キャスターとささやかれたこともあった。
コンビの片方だけが脚光を浴びるケースはままあるが、相方の日村さんも手堅い。同じランキングで日村さんは18位に入り、昨年の12位からはランクを落としたものの、ベスト20以内を死守している。また、ゴールデンタイム(19時~22時)帯での出演本数ランキングではベスト10に設楽さんの名前はないが、日村さんは4位に入っている。今やテレビで2人の顔を見ない日はないくらい、売れっ子コンビとしての地位を確立している。
バナナマンの人気の理由はどこにあるのか。お笑い評論家のラリー遠田さんは3つのポイントを指摘する。「まずは見た目のよさ。設楽さんは格別イケメンというわけではありませんが、ひとくせある印象的な顔立ち。日村さんは顔面と髪型で強烈なインパクトを残します。2人ともおしゃれなイメージで清潔感もありますね」と話す。
2つめは「芸人らしからぬ品の良さ」。お笑い芸人といえば、ガツガツと前に出てまくし立てるイメージがつきものだが、「バナナマンは2人とも落ち着きがあり、一歩引く大人の余裕があります」という。そして3つめは、「なんでもこなす能力の高さ」だ。「彼らのコントは昔からライブシーンでは高く評価されていました。2人とも演技がうまく、役者としても十分通用します。加えてMC能力のある設楽さんは場を仕切れる上に、トークで笑いが取れる。日村さんには体を張って笑いを取るリアクション芸の力、顔芸の魅力もあります。とにかく万能で何でもこなせる頼もしい存在なのです」。
「an・an」の「男の色気特集」にも取り上げられる
さらに、設楽さんについては「幅広い層に好かれる人間的魅力、何でもこなせる器用さがありますね。品がいいのに少し意地悪でSっぽいところが、異性にも好かれるようです」と評する。設楽さんは現在「ノンストップ!」でMCを務めるが、朝の情報番組のMCに必要な「主婦層のハートをつかむセクシーさ」があるのだという。実際、女性人気はインターネット上でもしばしば話題にのぼっている。13年1月には、雑誌「an・an」の「男の色気特集」にも取り上げられたほどだ。もちろん、MCとしての実力もある。「いつも冷静で場の空気を読む力があります。共演者への接し方が優しくて繊細、言葉の端々にも気づかいが感じられます」(ラリー遠田さん)。
しかし、こうした周囲の評価について本人は疑問に思っているようだ。7月20日放送のラジオ番組「バナナマンのバナナムーンGOLD」では、日村さんが設楽さんに関連するニュースを読み上げると「司会、大したあれじゃないんでね…」「日村さんが横にいてくれてるおかげでそういうふう(イケメン)にみられることが多くて」「人脈豊富じゃないし、若手の面倒見もよくない」などと、照れ隠しもあるのだろうが、否定的なコメントを繰り返していた。
その中で唯一、同意を示したのは「ギャラについて細かいことを言わず、お得感がある」という点だ。設楽さんは、不景気で番組経費が減らされている中、「これぐらい(編注:低めのギャラ)でやれる人みたいなノリの人っていうのがあるのでは」と分析。「お得感があるって思われていたらうれしいけどね」と話していた。