2015年にも市販の燃料電池車 燃料の水素にまつわる難問山積み

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水素の生産段階ではCO2を発生する?

   水素を生産するには(1)ガソリン、ナフサ、メタノール、天然ガスなど炭化水素原料を改質する(2)製鉄所などで副産物として発生する水素を取り出す(3)水を電気分解する――などの方法がある。このうち(3)は、ホンダが太陽光発電で水を電気分解し、水素を取り出して走る開発を進めているが、エネルギー業界関係者は「高いコストをかけて発電した電気を水素製造に使うのは現実的でない」としつつ、将来的には「再生可能エネルギーで水を電気分解し、水素を利用するシステムを構築するのは不可能でない」とも指摘する。

   (2)は、鉄鋼、石油、ソーダ、エチレンなどの製造段階で発生する水素(副生水素)を利用するもので、製造技術は確立している。日本政策投資銀行によると、「鉄鋼、石油、化学業界などの副生水素だけで乗用車1440万台の年間利用分を賄うことができる」という。国内の乗用車は約6000万台なので、4分の1程度がFCVになっても供給できる計算になる。

   コストや安定供給の面から最も有望なのは、石油や天然ガスを分解して水素を取り出す(1)の方法だ。しかし、化石燃料を改質すると最終的には炭素(C)が残ることになり、その多くは再び酸素と結びついて二酸化炭素(CO2)として放出されることになる。走行段階でCO2を発生しなくても、水素の生産段階ではCO2を発生することになる。この点をマスコミの多くは指摘していない。

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