不信任案出されても解散は現実的ではない
新聞の論調も厳しさを増している。各紙とも(1)議会での説明が不十分なこと(2)利害関係者からの借金は、都職員であれば「都職員服務規程」違反に当たり、懲戒免職処分になった先例もあること(3)このままでは五輪準備や予算編成作業にも支障が出ることなどを指摘しており、12月11日に産経新聞の「主張」が
「自らの進退を決断するときを迎えているのではないか」
と辞任をうながしたのに続いて、翌12日の各紙の社説では
「これ以上の説明ができないなら、猪瀬直樹東京都知事は自ら進退を考えるべきだ」(朝日新聞)
「猪瀬氏はまず話せ。身を処するのはすぐにもできる」(東京新聞)
「有権者が納得できる説明がなければ、猪瀬氏は自ら身を処して辞職すべきだ」(毎日新聞)
と厳しい内容だ。
特に毎日新聞は
「都議会は、これ以上明快な説明がなければ、偽証の罰則がある百条委員会設置や不信任決議なども視野に置くべきだ」
と、議会側にさらに厳しい対応を求めてもいる。仮に不信任決議案が可決された場合、知事はそのまま失職するか、10日以内に議会を解散するかを選べる。ただ、仮に解散したとしても、都議選を経ても猪瀬知事への追及がゆるむとは考えにくく、解散は現実的な選択だとは言えない。そう考えると、不信任決議案が出れば、そのまま失職する可能性が高い。
都議選をめぐっては、早くも日本維新の会からの離党を表明したばかりの東国原英夫衆院議員、舛添要一元厚労相、ジャーナリストの池上彰氏、小池百合子元防衛相などの名前が取りざたされている。