猪瀬知事「追加集中審議」でますます窮地 新聞社説も「進退考えろ」の大合唱

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   東京都の猪瀬直樹知事が医療法人「徳洲会」から受け取った5000万円をめぐる問題で、猪瀬知事への風当たりは強まるばかりだ。都議会では集中審議では2日間にわたって行われたが、議会の納得は全く得られないばかりか、次々に明らかになる答弁の不整合で疑惑は深まってしまった。

   追加で審議が行われることになったが、このままではさらに答弁に窮するのは確実。都政にも支障が出ると受け止める人も増えている。新聞各紙の論調も辞任を求めるものが多数で、いよいよ後がなくなってきた。

貸金庫は5000万円受け取る前に借りていた

「辞任は不可避」との見方が強まっている
「辞任は不可避」との見方が強まっている

   集中審議では、実に9時間近くにわたって猪瀬知事への質疑が行われたが、各会派からは「疑問点が解消されていない」といった声が続出した。そのため、総務委員会が2013年12月11日になって、16日、17日、24日の3日間にわたって追加で集中審議を行うことを決めた。数十点の記録書類の提出も求めた。

   審議が紛糾したのは、猪瀬知事の答弁に整合性がないからだ。例えば12月5日の本会議では、5000万円の扱いについて「大金にびっくりして、貸金庫にしまわないといけないと思った」などと話していた。この説明だと5000万円を受け取った後に貸金庫を契約したと理解できる。だが、事実はその逆で、5000万円を受け取る前日に妻名義で貸金庫を契約していたことが12月10日の集中審議で明らかになった。

   また、同日の集中審議では、5000万円を議員会館で受け取った後の行動について、

「まっすぐ自宅に帰ったと思います」

   と答えていた。だが、10月12日になって、議員会館から港区の個人事務所に一度立ち寄ってから多摩地区の自宅に帰っていたことが公用車の記録で明らかになった。

   この調子で集中審議を続けると、同様の「ボロ」が出るのは確実だ。

   加えて、多数の記録書類の提出を求められていることが、さらに猪瀬知事を追い詰めることになりそうだ。主に焦点になりそうなのが、借用証と貸金庫の記録だ。借用証は、その書式のつたなさが指摘され、信ぴょう性が疑問視されていた。これが改めて検証されることになる。また、猪瀬知事は5000万円の返金が13年9月まで遅れた理由について、貸金庫が死去した妻名義だったため、開けるまでの手続きに時間がかかったことを挙げていた。この点も、貸金庫の開閉記録で検証されることになる。

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