今年の新規上場、2割増の58社に 6年ぶりの高水準、初値も高騰

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   株式市場に2013年に、新規上場した会社の数は前年から約2割、10社増えて58社となる見通しだ。2007年以来、6年ぶりの高水準。2014年はさらに増えて70~80社程度が上場すると見られている。

   「アベノミクス」で株式市況が活気を取り戻すなか、新規上場銘柄への投資家の人気も高く、上場時にあらかじめ決めておく「公開価格」を、取引所の取引で付く初めての株価「初値」が軒並み上回っている。

人気がありすぎて初値がつかないケースも

「アライドアーキテクツ」公式サイト
「アライドアーキテクツ」公式サイト

   国内の新規上場銘柄はプロ(機関投資家)向けの「TOKYO PRO Market」と「東証マザーズ」など一般向けに分けられる。プロ向けは今年4社で、その他は54社。その他に限れば、昨年より8社増えた。

   現状ではプロ向け銘柄に「公開価格」がないが、その他の銘柄は上場に合わせて発行する株式について、あらかじめ証券会社が投資家に売りさばくための「公開価格」がある。市場が低迷している時は、「初値」が公開価格を下回ってしまい、公開価格で買った投資家がいきなり含み損を抱えてしまう事態がしばしば生じるが、今年に限れば12月6日現在で初値が公開価格を下回った例は1件もない。

   初値が公開価格を上回るケースは昨年末から続いており、12月6日現在で実に43社連続。「43連勝」となっている。円安で国内景気が上向いていた2006年春の「39連勝」を超え、「連勝」の多さがいつ以来かすぐには分からない状況となっている。

   11月29日に東証マザーズに上場した、スマホなどによる企業の宣伝を手がける「アライドアーキテクツ」のように、人気が集まりすぎて上場日に初値がつかない異例の事態も生じており、「新規銘柄はちょっとバブルっぽいな」(国内証券大手中堅幹部)との声も聞かれる。実際、上場日に初値がつかないまでも、初値が公開価格の2倍以上に高騰した銘柄は今年だけで20社超に上る。

来年も大型案件

   今年の新規上場の銘柄をみると、まず一番の大型案件が、サントリーホールディングス(HD)傘下の「サントリー食品インターナショナル」だ。次期サントリーHDトップの呼び声高い鳥井信宏氏が社長を務め、時価総額は今や堂々の1兆円超。他に大きいのは12月19日の上場を予定する、傘下銀行が一時国有化された「足利ホールディングス」など。ベンチャー系ではネット、バイオ関連がやはり多い。東京都以外に本社を置く企業も半分近くに上り、東証が地方行脚で上場企業を掘り起こした成果も出始めている。

   来年に目を転じると、何といっても注目は無料通話アプリなどを展開する「LINE」。このところミクシィやグリーのように業績が市場の期待通りでないネット企業も多いなか、近年にない成長株と見られている。このほかの大型案件はリクルートホールディングスや液晶パネルのジャパンディスプレイなど。2015年には日本郵政という超大型案件も控えており、新規上場銘柄に対する証券業界の期待は高い。

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