「表紙の昆虫については詳しく確認していない」
飛鳥新社はネットで指摘されている類似性について「リアルに描いた場合に、写真における昆虫の特徴と類似するのは当然」「昆虫の交尾の姿に個性的体位がないのは自明」と異を唱える。また、描いた際の角度と撮影した際の「角度が違っている」ことを理由に「創作性における類似性は認められない」とも論じる。似ているのは当然で、写真を見たとしてもあくまで参考の範囲内ということなのだろう。なお、最後には「以上の弊社見解は、著作権に詳しい弁護士の検討を経たものです」とまで書かれている。
この発表文は多くの反感を買ってしまったようで、ネットでは「本人は幕引きしたそうだったが出版社が燃料投げ込み」「すげーなー。作者守るきねえなー」「飛鳥から出てる本で問題がありそうなのを片っ端から漁るか」といった声が上がっている。
「参考」と「模写」の区別は難しいが、原則として、いくつかの作品をみた上でオリジナルの作品を描いたのならば「参考」。ある作品を見ながら忠実に再現したものは「模写」となる。なお、今回の発表では触れられていなかったが、ネットでは、昆虫の姿や交尾の体位だけでなく、「光の反射具合」「サイズ」など細かな類似点が言及されている。特に表紙のカブトムシは個体差もかなりあるそうで、対になった2匹の姿形、サイズまで酷似することはほとんどないようだ。こうした点について飛鳥新社の担当者に質問したところ「発表のとおりです。弊社としては合法という認識を持っています」の一点張りだった。ただし、「表紙のカブトムシについては詳しく確認していない」そうで、ネットでの検証をしっかりと調べたわけではないようだ。