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在日外国人の通名変更禁止を明確化 ケータイ転売事件がきっかけだった

   在日外国人が名乗る日本名の「通名」について、総務省が原則として変更を認めないとする通知を出していたことが分かった。しかし、ネット上では、通名そのものを廃止すべきとの声が根強い。

   社会的に話題になる人物が出てくると、ネット上では、在日ではないのかと詮索がなされることがある。それは、その人物が民族名の本名を名乗らず、「通名」を使っている場合があるからだ。

ネット上では、通名そのものを廃止すべきとの声

   本名を名乗らないことで、何かを隠そうとしているのではないかといった不信感も強いようだ。夕刊フジは、こうした関心を意識してか、2013年12月9日の記事で通名のニュースを大きく取り上げた。

   それは、総務省が11月15日、「外国人が通名を記載する際には要件を厳格にした上で、原則として変更を許さない」という内容の通知を外国人住民基本台帳室長名で出したというものだ。記事では、自民党の片山さつき参院議員がインタビューで、総務省の通知を当然だと評価したうえで、「日本名を名乗りたければ帰化すればいい」と通名そのものを疑問視したことも紹介している。

   このニュースは、2ちゃんねるなどで盛り上がっており、「これは神通達!」「犯罪抑止になりそう」「あとは朝鮮人の実名報道」などと相次いで書き込まれた。一方で、「通名を禁止にしろよ」「法整備しないと意味無いんじゃねーの」といった声も多数上がっている。

   総務省の外国人住民基本台帳室では、J-CASTニュースの取材に対し、通知を出したことは事実だとしながらも、通名変更の取り扱いを変えたわけではないと説明した。

「これまでは、変更の要件を厳格に確認するという表現にしていました。今回も、同じことになるのですが、原則として変更を認めないという表現で改めて徹底することにしました」

   それは、結婚したり、養子縁組したりする身分行為のような場合にしか変更は認めないということだという。

総務省は、通名をすぐに廃止することには否定的

   そもそも通知を出したきっかけは、2013年11月1日に、通名を6回も変えてケータイ電話を転売した韓国籍の男が詐欺などの疑いで埼玉県警に逮捕されたことからだった。産経新聞の11月17日付記事によると、男は、「自分と同じ通称の人間が悪いことをした」「音楽活動をしている。業界に同じ名前がいる」などと申し出ては通名を変更していた。

   事件を受けて、各自治体からも通名変更を原則認めないことを明確化してほしいとの要望があったこともあり、総務省も通知を出すことにしたそうだ。

   通名そのものについては、現在は住民票に「通称」として記載することが認められている。総務省の外国人住民基本台帳室では、通名をすぐに廃止することについては否定的だ。

「今のところ、廃止を検討するところまでは行っていません。創氏改名から戦後に至るまで、ずっと通名が使われ続けてきた経緯があります。現在も、不動産登記などに使われており、本名だと読み方が難しいといったこともあるでしょう。そのような実態がありますから、いきなり廃止はないと思います」

   通名を使うのは、在日韓国・朝鮮人や中国人、日系ブラジル人が多いという。

   在日韓国人で作る在日本大韓民国民団中央本部では、取材に対し、結婚など以外で通名を変更するのはおかしいと認めたうえで、通名の使用についてはこう答えた。

「1人の人が2つも名前を持っているのは、確かにおかしいと思います。本名を名乗るのが当然でしょう。しかし、それは植民地時代に日本政府が仕組みを作ったんですよ。通名を使うかは本人の人生観にもよりますが、韓国人が、例えば朴(ぱく)と本名を名乗って、就職できるでしょうか。そこには、日本名を名乗らないといけない日本の閉鎖性があります。通名を使うのはいけないというのは、問題をすり替えていますよ」