「エビアン」あわや不買運動に 「天皇は中韓に謝罪せよ」発言、「勘違い」してネット大騒ぎ

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※飲料水「エビアン」はダノン社のブランドです

   全体としては中韓の論調に近い内容となっているが、こうした論調の記事自体はそれほど珍しいものではない。ところが、インターネット上では記事の署名にくぎ付けとなった。そこには「ジャン・ピエール・レーマン エビアン・グループ創立者」と記されているではないか。末尾には「ローザンヌ、スイス」とも書いてある。ネット上では「エビアン」という部分がフランスのミネラルウオーター「エビアン」と結びつき、大騒ぎになった。

   「全力でいくか?拡散、そして苦情、不買いこうぜ!」「エビアン、許さないよ」「不味い上に喧嘩売るとかアホだろw」「この件がネットで拡散したらマジで日本ではエビアン終わるだろー」と盛り上がり、拡散されるにつれタイトルも「天皇は土下座外交せよ!」と大それたものに変わっていった。

   だが、これは大きな勘違いだ。このFTの記事を見つけて翻訳し、ネット民のソースとなっていた日本のウェブサイトでもその後、このことに気づいて訂正文を掲載しているが、エビアン・グループとエビアンは何の関係もない。そもそもエビアンはダノン社のブランドであるため、もしも創立者が記事を書くとすれば「ダノン・グループ創立者」となるだろう。

   では、当の筆者であるレーマン氏はどのような人物なのかというと、スイスのビジネススクール「経営開発国際研究所(IMD)」の教授であり、日本のメディアでも「東アジアをめぐる企業行動の専門家」「辛口の日本通」と紹介されている。「エビアン・グループ」は、レーマン氏が国際経済秩序の話し合いを目的に設立した機関だ。

   ネットでは、記事の内容は韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領による日本批判と同じ内容で、記事が出たタイミングもフランスを訪問したタイミング(11月)と一致するとの指摘もあった。「朴槿恵の『悪口』を鵜呑みか」と批判も相次いでいたが、レーマン氏は朴氏が大統領に就任する前から同様の主張を繰り返している。たとえば、12年9月には日米関係を論ずる記事の中では「日本はドイツと違い、隣国と平和な関係を築いていない」「アジアの中でも指導力のなさを示している。それは過去の残虐行為の反省を持っていないにも見える」「平和を築く努力を行い、開国すべきだ」などと発言していた。

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