中国が突然設定した防空識別圏(ADIZ)で周辺諸国との関係がぎくしゃくする中、今度は韓国が防衛識別圏を拡大することを発表した。日本は、この動きを全く問題視していないが、中国の中国側の態度が煮え切らない。
一度は静観する構えを見せたが、3日後には一転「遺憾」を表明したのだ。どのような背景があるのか。
日本は「地域の警戒監視に対して積極的な関係築ける」と問題視せず
韓国国防省の2013年12月8日の発表によると、韓国の防空識別圏は南方に拡大する。これまでは済州道(チェジュド)南方までだったものが、東シナ海の暗礁「離於島」(イオド、中国名・蘇岩礁)南方約250キロまで広がる。新たな防衛識別圏は12月15日に発効する。
韓国政府は発表前に日本や中国など周辺国に事前説明を行ってきたが、日中の反応には温度差がある。日本は一貫して問題ないとの立場だ。小野寺五典防衛相は12月10日朝の会見で、日韓のホットラインで1日に何十回も情報交換しているとして、
「そういう中で一層連絡を密にして情報交換することによって、むしろ両国がよりこの地域の警戒監視に対して積極的な関係を築けるのではないかと思っております」
と、むしろ肯定的な評価をするほどだ。