ヤンキース「イチロー放出」が現実味 残留ならベンチ、移籍でも出番激減の大ピンチ

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   米大リーグ、イチロー選手のレギュラーの座が危うくなってきた。所属するニューヨーク・ヤンキースが今オフ、大物外野手を相次いで獲得しているのだ。

   ヤンキースとの契約は残り1年だが、このままではチームに残留しても控えに回る恐れがある。移籍話も浮上しており、ピンストライプのユニホームに別れを告げるかもしれない。

「誰かイチローはいらないか」

   イチロー選手がヤンキースにトレードされたのは2012年7月。同年12月には2年総額1300万ドル(約13億4000万円)で契約し、残留した。2013年シーズンは150試合に出場して打率2割6分2厘と、全盛期と比べると成績が見劣りするのは否めない。

   来季は、右翼のポジションが脅かされている。チームが俊足巧打のジャコビー・エルズベリー選手、強打者カルロス・ベルトラン選手と2人の外野手を獲得したからだ。今季途中に加入したアルフォンゾ・ソリアーノ選手は、出場58試合で17本塁打を放った。外野手は飽和状態で、今季の成績だけ見ればイチロー選手は5番手に甘んじる。ソリアーノ選手は指名打者に回るとみられるが、それでもスタメンには届かない。

「誰かイチローはいらないか」

   米スポーツ専門局「ESPN」電子版は2013年12月9日、こんな記事を配信した。2年契約の最終年となる来季の年俸は650万ドル(約6億7000万円)だが、放出するとなれば「一部をヤンキースが肩代わりすることになるかもしれない」と推測する。それでも今季の成績と40歳という年齢から、獲得に名乗りを上げる球団は少なそうだとも報じた。米CBSニュース電子版も、「今季の出塁率が2割9分7厘と格段に低かった」イチロー選手が、トレードの有力候補と伝えている。

   スポーツニッポン電子版は12月10日、複数の球団がイチローに興味を持っていると伝えた。名前が挙がったのはサンフランシスコ・ジャイアンツやピッツバーグ・パイレーツなどだが、獲得の条件として出場機会の大幅減を受け入れることだとしているという。だが米サンフランシスコ・クロニクル紙電子版は、ジャイアンツが興味を示しているのはイチロー選手の同僚ブレット・ガードナー選手で、イチロー選手は年齢と年俸の点で「見送り」だと球団関係者が語ったという。

今季開幕前も大物外野手加入したがレギュラー死守

   実は今季開幕前も、似たような状況だった。すでに外野手枠が埋まっていた状況で、球団はオールスター出場3度の大物外野手バーノン・ウェルズ選手と契約したのだ。イチロー選手は当時「こんなに外野手を取って、(確実に)ポジションがある人はいないな」とスポーツ紙に心境を語っていたものの、開幕スタメンを任された。その後は外野手がひとり長期離脱を余儀なくされたこともあって、年間を通してほぼ定位置を守り続けた。

   しかし今季、ヤンキースはワールドシリーズどころかプレーオフにも進めなかった。来季は世界一奪回が至上命題となるだけに、オフにはしゃにむに補強に動いている。一方でイチロー選手は、米CBSスポーツが「年俸に見合う活躍をしなかった選手」に選ぶなど、チームがポストシーズンを逃した「戦犯」並みに扱われてしまっている。

   残留ならベンチ要員、新天地を求めた場合も今のところは出場機会が大幅に減りそうな気配だ。日米通算4000本安打を達成したイチロー選手の次なる目標は、大リーグ記録の4256安打。出番が激減すれば記録達成への障害となる。「不惑」の安打製造機が正念場を迎えた。

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