ライナー券でりんかい線の割高分を回収する案も
そんな中、熊谷市長は13年12月6日の市議会で、16年度をメドに直通列車の試行運行を目指す意向を明らかにした。具体的には、今後りんかい線やJRと協議し、実証実験に近い形で「ホームライナー」を運行する。ホームライナーは、特急車両などを利用して都心から郊外に向けて帰宅する客を乗せる電車だ。通常の運賃以外に、500円程度の「ライナー券」を買う必要がある。このライナー券に、りんかい線の割高分を上乗せして懸案を解決するアイディアもあるようだ。
このホームライナーで人の流れがどのように変化するか分析しながら、本格的な展開も検討する。
熊谷市長が13年5月に再選された時の公約(ローカルマニフェスト)には、
「総武線、京葉線、京成千葉線等の幹線交通軸を強化し、広域的な利便性を向上(JR京葉線と東京臨海高速鉄道りんかい線との直通運転の模索など)」
とあり、直通運転は市長のきもいりだとも言える。
また、JRは01年に大宮-新宿-大船などを直通する湘南新宿ラインの運行を開始し、東京と埼玉、神奈川とのアクセスが向上したという経緯がある。にもかかわらず東京と千葉のアクセスは改善されないままで、千葉市では危機感を強めている。このことも、今回の動きを後押しすることになりそうだ。