韓国の情報機関が失脚したとの見方を伝えていた北朝鮮の事実上のナンバー2、張成沢・(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長の失脚が確定的になった。金正恩第1書記が2013年12月8日、朝鮮労働党中央委員会政治局の拡大会議を開き、張成沢氏を「すべての職務から解任して一切の称号を剥奪し、党から除名する」ことを決めたことを国営メディアが報じたからだ。
会議では、主に張氏が「反党・反革命的分派行為」を行ったことに対する批判を展開したほか、女性問題や麻薬の使用歴まで暴露。復権は絶望的な状況だ。
公式メディアに「粛清」の表現
拡大会議の様子が2013年12月9日朝、国営朝鮮中央通信と朝鮮労働党の機関紙にあたる労働新聞が伝えた。特に労働新聞は1面トップの扱いだ。会議では、張氏とその側近を「粛清」したことが明らかになっている。北朝鮮当局が自らこの表現を使うのは極めて異例だ。
「党は、張成沢一党の反党・反革命的分派行為について以前から知って注視してきながら、数回にわたって警告もし、打撃も与えたが応じず、度合いを超えたため、これ以上袖手傍観することができなくて張成沢を取り除き、その一党を粛清することによって、党内に新しく芽生える危険極まりない分派的行動に決定的な打撃を加えた」
両メディアでは、「張成沢」「張成沢一党」「張成沢とその追随者」と表現のばらつきはあるものの、張氏の「容疑」を12項目にわたって列挙している。
「張成沢は、党と領袖の高い政治的信任によって党と国家の責任ある位置に登用されたが、人間の初歩的な道徳・信義と良心さえ投げ捨て、金日成主席と金正日総書記を千年、万年高く仰ぎ、いただく事業に顔を背け、各面から妨げる背信行為を働いた」
という総論に始まり、
「国家財政管理システムを混乱に陥れ、国の貴重な資源を安値で売り払う売国行為を働いてチュチェ鉄とチュチェ肥料、チュチェビナロン工業を発展させるべきだという金日成主席と金正日総書記の遺訓を貫徹できなくした」
といった具体的な損害も指摘している。