野球解説者の張本勲さん(73)がサッカーチームの名称に苦言を呈した。サッカー・J1でのサンフレッチェ広島優勝を受け、テレビ番組で「これじゃ舌噛みそうだよ」と発言し、広島名産にあやかった「カキ広島」への改名を提案した。
張本さんの発言を受けて、ネット上では「野球チームの方がカタカナばかりじゃないか」と話題になり、日本語での「新チーム」名の大喜利が始まっている。
山形県なら「王将山形」
2013年12月8日の「サンデーモーニング」(TBS系)は、サンフレッチェ広島のリーグ優勝をとりあげた。「ご意見番」の張本さんは、出身地である広島の快挙に「あっぱれ!」と上機嫌。しかし各チームの順位が書かれたボードを見るなり、
「ちょっとクレームつけたらね、私は(チームが)たくさんあるじゃないですか。ちょっと日本の名前を付けてもらいたいんですよね」
と発言した。本拠地の名物や方言を使ったチーム名をつけてほしいといい、広島ならば瀬戸内海でとれる「カキ」にあやかった「カキ広島」、山形ならば天童市名産の将棋から「王将山形」にすればよいと話す。
キャスターの関口宏さん(70)が思わず「えーっ!」と驚くも、張本さんの勢いは止まらない。
「(日本語の方が)カッコイイよ。大人も子供もわかるもん。これじゃ舌噛みそうだよ」
と語り、サッカーチームの名称はポルトガル語やイタリア語由来の名前ばかりで、わかりにくいと熱弁した。ゲストのラモス瑠偉さん(56)も「(チーム名は)わからない」と賛同する。
サッカー解説者の中西哲生さん(44)は、香川県の「カマタマーレ讃岐」を引き合いにだし、名物に由来したチーム名もあるとフォローした。「釜玉」とは、香川県名物の讃岐うどんに生卵を落としたもの。イタリア語で海を意味する「Mare(マーレ)」と組み合わせたもので、06年4月からチーム名に採用された。
納得がいかなそうな張本さんに、関口さんが「次行ってよろしいですか」と尋ねると、張本さんは「どうぞ」と快諾。話題は楽天・田中将大投手の大リーグ移籍問題へと移った。
張本さんの古巣は「東映天ぷら」に?!
張本さんの提案を受け、ネット上では野球チームの名称も「どうみても日本語じゃない」との反論が出た。イタリア語よりも馴染みのある英語だから違和感がないだけで、名物や方言を冠さない傾向は野球チームの方が顕著にみられるというのだ。
元をただせば「サンフレッチェ」は、地元に根付いたチーム名だ。かつて安芸国(現在の広島県西部)を治めた戦国武将・毛利元就の故事「三本の矢」に由来し、数字の「3(サン)」と、イタリア語で「矢」を意味する「Frecce(フレッチェ)」を合わせた。
本拠地にちなんだネーミングはまだある。北海道札幌市の「コンサドーレ札幌」(J2)は、北海道民を意味する「道産子(どさんこ)」を逆さに読んだ「こんさど」に、ラテン語風の「オーレ」をあわせたもの。佐賀県鳥栖市の「サガン鳥栖」(J1)は、選手の小さな力を集めた「砂岩」と「佐賀の」をひっかけた。「大きい」を意味する鳥取県の方言「がいな」を冠した「ガイナーレ鳥取」(J2)などもある。
それに対して野球チームの場合は「阪神タイガース」や「中日ドラゴンズ」などのように、動物にあやかったものが多い。張本さんの現役時代の所属チームも「東映フライヤーズ」、「日拓ホームフライヤーズ」、「日本ハムファイターズ」、「読売ジャイアンツ」、「ロッテオリオンズ」と横文字ばかりだ。球界を棚に上げた張本さんの発言に、ネット上はツッコミであふれた。
「笑わせてくれたわw」
「もはや喝でもあっぱれでもない」
「それ先に野球でやってみたらどうか」
「ヤクルトスワローズとかオリックスバファローズとかの方が噛みそうだと思うんですが…」
またネット上では「チーム名」の大喜利合戦も始まった。
「タコ焼き大阪」
「カキ広島 対 ウシ北海道とか…」
「豚骨福岡とか馬刺し熊本とか桃岡山とか蜜柑愛媛とかも容認して欲しいwww」
なお張本さんの古巣である「東映フライヤーズ」には、「フライ」を和風にした「東映テンプラ」なる改名案も出ている。