セブン-イレブン店頭で販売されている1杯100円からの本格ドリップコーヒー「セブンカフェ」の「原価」を示す価格表がインターネット上に流出したとして、2013年12月3日から騒ぎになっている。
ネット上は割り出した「原価価格」が意外にも高額だったとして大盛り上がりだ。だが一方で、計算結果に疑問を抱く人も少なくないようだ。
2ちゃんねるでは「46.8円」と断定
「セブンカフェ」はセブン-イレブン店頭の専用コーヒーマシンで販売されているセルフ式のドリップコーヒーだ。コーヒーはホットとアイスの2種類があり、レギュラーサイズ(150ml)はどちらも100円、ラージサイズ(235ml)はホットが150円、アイスが180円とお手頃価格で楽しめる。コーヒー豆は定番のアラビカ種。利用者がマシンにカップをセットすると豆が挽かれ、一杯ずつペーパードリップで抽出される。
評判は上々で、今年1月の提供開始から7か月で累計販売数1億杯を突破するほど大ヒットをおさめている。そんな中、インターネット上にセブンカフェの「原価」を示す価格表が流出した。ネット上では本物という前提で、一杯分を割り出す「計算大会」が始まった。資料によるとコーヒー豆は250グラムでアイス、ホットとも約390円。ホットのレギュラーカップ(50個入)は約7円、アイスのレギュラーカップは個数が書かれておらず、約33円となっている。
一杯に何グラムのコーヒー豆を使っているかは不明だが、一般的にはコーヒー1杯(180ml)に対し約10グラムが目安といわれている。仮に10グラムだとすると、レギュラー一杯あたりのコーヒー豆は15円程度。多めに15グラム使用したとして23円程度になる。計算結果に多少のバラつきはあるようで、2ちゃんねるでは「46.8円」と断定。一部のネットニュースサイトではホットでは20円台、アイスは40円~50円台と結論付けている。なお、この場合、カップは1個あたりを「7円」「33円」として計算しているようだ。
「アイスカップ33円?」「FCへの卸値じゃないの?」
ネットでは、計算結果と実際の売価と照らし合わせて「原価高いな!」「セブンは良心的だな」「がんばってるな」「結構いい豆使ってるじゃん」「集客目当てなんだろうな」とセブンカフェを評価する声が多々あがった。日頃からの愛飲者からは「だからうまいのか、納得」との感想も。日が経つにつれ情報はどんどん拡散し、「1杯40~50円」という価格が独り歩きしている。
だが仮に資料自体は本物だったとしても、この計算結果を「原価」とするのには疑問の声も上がっている。1つめの指摘は、計算に用いられたカップの価格だ。1万2500店舗という展開店舗数から大量生産していることを想定すると、1個につき33円(アイス)かかるというのは少し無理があるように思えるというのだ。2つめは、ここでいう「原価」はセブン-イレブン本体の仕入原価ではなく、本部が上乗せしてフランチャイズ店舗に卸している値段ではないかというもの。「本社が支店に利益込みで『販売』してるんじゃないのか?どう考えても単体原価として高すぎる」などと声が上がる。
事実関係を確認すべくセブン&アイ・ホールディングスに問い合わせたところ、「流出の件はこちらでも把握していますが、内容については現段階では本物かどうかわかっていません」との回答だった。さらに詳しい質問をFAXで送ったが、「ご質問につきましてはご回答いたしかねます」として、話を聞くことはできなかった。