高画質の写真を手軽に撮影できるスマートフォンの普及に伴って、盗撮による逮捕が報じられることが増えている。日本に限らず韓国も同様のようで、盗撮被害が相次ぎ問題化している。
韓国ソウルの地下鉄では、スカートの女性を盗撮、携帯電話から盗撮した写真も出てきたが、裁判の判決は無罪となった。どうしてなのか。
盗撮したのは女性の全身写真
韓国紙・中央日報(2013年10月10日)によると、韓国で13年上半期に盗撮された女性の被害者は2132人に上る。1日平均12人が被害に遭った計算だ。特にソウル駅は「盗撮1番地」と呼ばれ、 2011年と2012年の 7?8月だけで85件が摘発されたほど、盗撮犯罪が頻発しているという。韓国では盗撮して摘発された場合、5年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金に処せられる。
12月2日にも朝鮮日報が、ソウル地下鉄車内で発生した盗撮事件について報じた。しかし、この事件には無罪判決が出ているという。同紙によると、米国籍講師が携帯電話のカメラで、足を組んで座っていた女性を盗撮したという事件だ。女性の年齢は20歳で、ミニのワンピース姿だった。
女性の前を通り過ぎながらこっそりと撮影したところを取り押さえられた。女性の「脚部」を撮影したとして検察は略式起訴したが、正式裁判に回されて陪審員裁判になった。しかし携帯電話から出てきたのは、女性の全身を撮影した写真2枚だった。
盗撮の動機について「いつかあんな女性に出会って結婚したい」という思いから写真を撮ったと述べた。これに対して審査員7人のうち5人は、その主張を受け入れて「無罪」と判定し、残りの2人は「有罪」という意見を出した。
裁判官は「この事件の写真は、公共の場で人の視界に映る姿をそのまま撮影したもの」であるとして、「金氏の行為が性的欲求によるものや、羞恥心を与える撮影と見るのは難しい」との見方を示した。