亀田大毅「負けても王座防衛」のすったもんだ ルール会議での「言葉の壁」で混乱か

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   ボクシングのタイトル戦で、何とも不可解な裁定が下った。国際ボクシング連盟(IBF)スーパーフライ級王者の亀田大毅選手が、判定で敗れたにもかかわらず王座を守った形となったのだ。

   これだけでも不思議だが、もともとは「負けたら陥落」と発表されており謎は深まる。IBF側は「最初からそのルールだった」と主張するが、試合終了まではファンはもちろん、中継したテレビ局すら知らなかった。

試合直後のリングで「タイトル保持」と英語のアナウンス

「不可解裁定」をスポーツ紙が報じた
「不可解裁定」をスポーツ紙が報じた
「大毅、陥落」

   判定が告げられると、試合を中継していたTBSのアナウンサーはこう絶叫した。2013年12月3日に行われた王座統一戦で、IBF王者の大毅選手が世界ボクシング協会(WBA)スーパーフライ級タイトルを「体重オーバー」ではく奪されたリボリオ・ソリス選手に敗れたのだ。勝利を確信して掲げた右手は行き場を失い、目を泳がせ茫然とたたずむ大毅選手。

   場内アナウンスは続く。リング上で両陣営が残ったまま、リングアナは英語で採点結果とソリス選手の判定勝ちを宣言した後、こう告げた。

「チャンピオンはIBFタイトル保有を続ける」

   敗者の大毅選手が王座にとどまるということだ。だが中継ではこの点に触れられないまま終了した。視聴者だけでなく放送局側でさえ、事前に発表されていた通り大毅選手が敗戦によりベルトを失ったと解釈していたのだろう。

   IBF幹部は試合後に緊急会見を開き、「挑戦者が体重を超過していた場合、王者は勝敗に関係なくタイトルを失わない」というIBFの規約を説明した。英文で書かれた規約書には、確かにそのような記述がある。試合終了直後の英語のアナウンスと同じ内容だ。ところが前日、試合を主管した日本ボクシングコミッション(JBC)が「負ければIBF王座は空位になる」と説明していたから混乱が生じた。IBF幹部は「そんな発言をした覚えはないが、言ったとしたら私の間違いだった」と弁解した。要するに、最初から大毅選手は勝っても負けてもIBFタイトルが保障されていたのだ。国内で行われた世界タイトルマッチで、同様の例はない。

   規約内容は、亀田陣営も知っていたようだ。亀田ジムの嶋聡マネジャーは複数のメディアに、ルール会議で確認していたと証言している。一方でJBC側は「聞いていない」という。どんな行き違いがあったのか。

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