医者の給与をさらに上げるべきか 診療報酬改定で厚労省と財務省が綱引き

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マイナス改定は「医療崩壊」につながると主張

   厚労省は今回も、医師不足、救急医療や小児科、産科などの労働環境の改善を理由に「本体」の引き上げが必要と主張する。2002~08年度と4回連続で「全体」がマイナス改定されたことが「医療崩壊」の一因になったとの基本認識があり、本体のアップをテコに、課題である救急医療などの充実に取り組む考えだ。背後には医師会の「消費増税の財源を社会保障の充実に充てるのは国民との約束」(中川俊男副会長)という意向がある。

   一方、財務省は今回、薬価を下げた分を技術料に上乗せする必要はないと主張する。麻生太郎財務相は11月15日の政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で「病院の利益や医者の給料は、ほかの産業よりも伸びている」という資料を出し、技術料の引き下げを求めた。

   診療報酬の元手となる保険料を負担する健康保険組合連合会(健保連)や経団連、連合など支払い手の民間6団体は、診療報酬の引き下げを要求し、財務省と歩調を合わせる。

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