NY便はアジア各地から便利に乗り継げる
ただ、現時点でも「外国人」の国籍は不明だ。ANAは乗客が特定されうる情報は開示していない上、国土交通省も、トラブルについては報道で知った程度で、詳細については把握していないという。これは、一度離陸してから出発地に引き返す「イレギュラー運航」といった重要なケース以外は、機内の迷惑行為について航空会社から国交省に報告する法的義務はないからだ。
ANAに限らず航空各社は、成田空港をアジアと北米を結ぶ「ハブ」と位置づけており、スムーズに乗り継げることをアピールしている。例えば、今回トラブルが起こったNH1010便は成田空港を夕方に出発するが、マニラ、香港、北京、上海、成都、広州を午前中に出発する便に乗れば、2~4時間程度で乗り継ぐことができる。
米国と中国の間は両国政府の許認可の関係で直行便が開設しにくく、運賃も高止まりしがちだ。そのため、中国人が米国に向かう際は割安な日本や韓国を経由する便を利用することが多い。このことも、今回のトラブルが中国で関心を集めている一因だと言えそうだ。