東海村「再処理施設」で水素爆発の恐れ プルトニウム溶液と高放射性廃液「放置」状態

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冷却装置や水素掃気機能喪失で最悪のシナリオ

   最終的には粉末化されるはずのプルトニウム溶液と、ガラス固化が前提の高放射性廃液。いずれも現状での管理状態は不安定だ。考えたくないシナリオだが、最悪の場合何が起こるのか。

   報告書によると、プルトニウム溶液は冷却機能を喪失した場合に最短で23時間で沸騰し、水素掃気機能を失うと同11時間で水素爆発を起こし、大量の放射性物質が外部に放出される危険性をはらむという。廃液の場合も冷却機能喪失では最短55時間で沸騰、また水素掃気機能喪失では同38時間で水素爆発の恐れがあるそうだ。

   規制庁の実態調査によると、たとえ爆発とまではいかなくても機器の腐食や破損で液体が漏えい、流出する可能性もある。外部に漏れず施設内にとどまったとしても、多量であれば除染や復旧には困難が伴う恐れがあると指摘する。

   再処理工場を含む核燃料施設は、12月18日に施行予定の新規制基準を満たす必要がある。巨大地震や津波対策、放射性物質の流出防止策などが求められ、安全審査に合格したうえで工場の稼働が認められるようになる。東海再処理施設も、新基準の対象だ。ただし報告書でJAEAは、プルトニウム溶液と高放射性廃液の固化・安定化施設が新基準に「短期間で適合することは困難」とみているという。そのうえで、1.5年で設備の補修作業が完了する予定のプルトニウム溶液については「現在実施中の設備補修を完了した時点で、新規制基準への適合とは切り離して、速やかに固化・安定化処理を開始したい」と要望。廃液対策は長期戦となるため「新規制基準適合のための対応と並行しつつ、固化・安定化処理を開始したい」と求めている。

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