機内の迷惑行為についてはプライバシー保護を理由に詳細は明かさない
ANA広報室によると、こうした乗客の問題行動で飛行機が遅れるケースは「きわめてまれ」だという。具体的な件数は明らかではないが、1年に1度あるかないか、といったところのようだ。
この背景には、(1)仮に乗客が機内で暴れるなどして目的地で警察に引き渡したとしても、飛行機自体は時間通りに到着している(2)それ以前に、問題のありそうな乗客は搭乗口で搭乗を拒否する「水際作戦」が上手くいっている、ということがあるようだ。
このような機内の迷惑行為については、航空会社は乗客のプライバシー保護を理由に詳細は明かさないことがほとんどだ。その内容が明らかになる数少ない例が、当事者が自分から明らかにするケース。例えば作家のさかもと未明氏による「ボイス」12年12月号への寄稿によると、さかもと氏は日本航空(JAL)機内で乳児が泣き止まなかったことに立腹。着陸態勢に入っていたにもかかわらず「もうやだ、降りる、飛び降りる!」と、シートベルトを外して出口に向かって通路を走ったことを明かした。この行為については、寄稿の中で「反省し、謝ります」とつづっているが、それでも安全を阻害する行為だとして批判が相次いだ。