フランスで2014年1月30日から開催される「アングレーム国際漫画祭」で、韓国政府による従軍慰安婦問題をテーマにした展示が行われることが決まった。韓国漫画映像振興院が13年11月25日に明らかにしたもので、複数の韓国メディアが報じた。
決定報道を受け、日本人からは非難の声が続々とあがっている。韓国に対抗して出展準備を進める団体もあり、開催まで2か月を切る中、両国間で不穏な空気が漂っている。
漫画60点、アニメ4編で元慰安婦の被害を訴える
「アングレーム国際漫画祭」は毎年1月末にフランス西部のアングレーム市で行われるイベントで、20万人以上が来場するヨーロッパ最大級の漫画祭として知られる。報道陣や出版関係者も集まり、業界からの注目度も高い。漫画賞には日本の翻訳作品も複数ノミネートされ、第41回目を迎える来年度は「進撃の巨人」(一般部門)や「宇宙兄弟」(ユース部門)などが公式セレクションに選ばれている。
そんな国内外の漫画ファンが注目するイベントで、韓国による「従軍慰安婦」をテーマにした企画展「旧日本軍の慰安婦被害者韓国漫画企画展‐枯れない花」が行われることが決まった。13年5月時点で、主催の「女性家族部」(韓国の政府機関)が漫画祭委員会側に対して出品・展示の協力を要請していると韓国のテレビ局が伝えていたが、これが正式決定したようだ。会場では、20人の漫画家が元慰安婦らの被害状況を描いた漫画約60点が展示されるほか、関連のアニメーション4編も上映される。
韓国では慰安婦に関する作品は映画やアニメ、小説が大部分で、漫画作品はほとんどないが、漫画祭を自国の主張を広く知らせるチャンスと捉えたようだ。なお、フェスティバル初日にはオープニングイベント「少女、希望に飛ぶ」も開催され、漫画家のライブペインティングや慰安婦による風船飛ばしなどが行われるという。