スマホ普及で中高生「ネット高依存」増える 親はどう対処すべきか

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   スマートフォン(スマホ)は今や老若男女が使用するツールとなった。IDC Japanの2013年6月時点の調査では、スマホ普及率は49.8%という結果が出ている。

   特に10~20歳の若年層の所有率は76.3%と高い割合になっているが、普及にともなって問題も浮き彫りになってきた。中高生の「ネット依存」の割合が高くなっていることが、いくつかの調査で明らかになっているのだ。

入眠困難、気分が落ち込むという生徒も

中高生のネット依存が深刻(写真はイメージ)
中高生のネット依存が深刻(写真はイメージ)

   警視庁は2013年11月28日、中高生の携帯電話、インターネットの利用等についてのアンケート調査結果を公表した。

   調査は13年7月1日から20日まで、都内の中学、高校の2・3年生4249人を対象に行い、有効回答率は97.8%だった。

   スマホの保有率は、中学生で42%、高校生では74%と高い割合となった。

   「手元にないと不安」「インターネットをしているとほっとする」など携帯電話への依存を示す15項目のうち、4項目以上当てはまる「高依存」状態にある生徒は31%で、そのうち82%はスマホ利用者だった。

   高依存の生徒は、携帯を使うことで「寝る時間が遅くなった」(61%)、「メールをいつも気にする」(50%)、「成績が悪くなった」(32%)、「家族との会話が減った」(22%)など、生活に悪影響を受けたと回答する割合が高くなっている。

   さらに、保護者との約束を破る、夜遊び、家族の金品を盗るなど問題行動の経験では、6項目全てで高依存の生徒の方が低依存の生徒より経験率が高く、ネット依存が日常生活に悪影響を及ぼしていることが浮き彫りになった。

   中高生のネット依存の傾向を示す調査結果はこれまでにもあった。

   厚生労働省の研究班が13年8月に発表した、12年度の中高生のインターネット利用状況に関する調査結果では、「インターネットに夢中」「インターネット離脱症状がある」「インターネット使用による生活支障がある」など8項目の質問のうち3~4項目に該当する生徒を「不適応使用」、5項目以上に該当する生徒を「病的使用」に区分したところ、不適応使用は全国で104万7000人、病的使用は51万8000人という推計が出た。

   不適応使用、病的使用の生徒は、睡眠時間が短くなる傾向にある上、入眠困難など睡眠の質が悪い、午前中に調子が悪い、楽しい日常生活を送れなかった、いつもより気分が落ち込むことが多かったと回答する割合が高くなっている。

   リクルート進学総研が13年6月、全国の高校生800人を対象に実施した調査では、スマートフォン所有者440人のうち、利用シーンで「起床後すぐに」「布団・ベッドに入ってから寝るまで」と回答したのはそれぞれ49.8%、53.0%だった。

承認欲求満たされない子供が依存していく

   中高生をそこまでネットに溺れさせている原因は何なのか、ネット依存を未然に防ぐための対策はあるのか。依存症のカウンセリングなどを行う「カウンセリングオフィスAXIA」代表の衣川竜也さんに話を聞いた。

   そもそも人間には、他人から認められたいという「承認欲求」があり、これが親子間で満たされていれば他に求める必要はない。しかし親から認められていないと感じた子供は、それを他人に求める。

   ネットには、Facebookの「いいね!」にみられるように、承認欲求が安易に満たせるという特徴がある。欲求が簡単に満たされることで味を占め、どんどんはまっていき、最終的に依存状態に陥ってしまうという。

   特に中高生は、他人と繋がりたい、孤独感を埋めたいという気持ちも強く、余計ネットに溺れてしまいがちとのことだ。

   わが子をネット依存にさせないためには、親はどうすればいいのか。育児の段階で、普段から子供の話をちゃんと聞く、精神的な交流を持つということを心がけるべきだと衣川さんは話す。衝動をコントロールできるように、小さい頃から「ダメなものはダメ」と教え込むのも重要だ。

   既にネット依存状態になってしまった子供については、親との信頼関係が崩れてしまっている場合が多いので、早めに専門家へ相談することを勧めている。無理矢理スマホを取り上げる、ネット回線を遮断するなどの荒療治は、そもそも親に理解されていないという気持ちが強いのに、「やっぱり親は何もわかってない」とさらに不満が募る結果になるため、やらない方がいいとのことだ。

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