承認欲求満たされない子供が依存していく
中高生をそこまでネットに溺れさせている原因は何なのか、ネット依存を未然に防ぐための対策はあるのか。依存症のカウンセリングなどを行う「カウンセリングオフィスAXIA」代表の衣川竜也さんに話を聞いた。
そもそも人間には、他人から認められたいという「承認欲求」があり、これが親子間で満たされていれば他に求める必要はない。しかし親から認められていないと感じた子供は、それを他人に求める。
ネットには、Facebookの「いいね!」にみられるように、承認欲求が安易に満たせるという特徴がある。欲求が簡単に満たされることで味を占め、どんどんはまっていき、最終的に依存状態に陥ってしまうという。
特に中高生は、他人と繋がりたい、孤独感を埋めたいという気持ちも強く、余計ネットに溺れてしまいがちとのことだ。
わが子をネット依存にさせないためには、親はどうすればいいのか。育児の段階で、普段から子供の話をちゃんと聞く、精神的な交流を持つということを心がけるべきだと衣川さんは話す。衝動をコントロールできるように、小さい頃から「ダメなものはダメ」と教え込むのも重要だ。
既にネット依存状態になってしまった子供については、親との信頼関係が崩れてしまっている場合が多いので、早めに専門家へ相談することを勧めている。無理矢理スマホを取り上げる、ネット回線を遮断するなどの荒療治は、そもそも親に理解されていないという気持ちが強いのに、「やっぱり親は何もわかってない」とさらに不満が募る結果になるため、やらない方がいいとのことだ。