とんかつ「和幸」の食べ残しのキャベツ使いまわし 読売新聞が記事にするのをためらった理由とは

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読売が書かなければ朝日、毎日にタレ込みが行く

   和幸商事に話を聞いてみると、実はもともとバイキング的な発想で大皿のキャベツを取り皿に取ってもらい、キャベツが無くなったらそこに足すなどしていたのだという。転機が訪れたのは05年の「恵亭松屋銀座店」オープンからで、銀座という立地や客単価が2000円以上というグループ店の中では高級店で、バイキング的な発想とはいっても大皿を客のテーブルの上に乗せるため高級店に似つかわしくない、と食べ残したものは破棄することに決めた。それが同店オープンの1か月後だったという。

「我々としては05年以降は周知徹底してきたつもりでしたが、食材が不足したときなど、お客様に悪いという気持ちがあったのか、以前にやっていて現在は禁止している使いまわしがあったようです。本当に申し訳ありません」

と担当者は平謝りだった。

   現在は使いまわしをすることはない、ということだが、なぜ3年以上前のことが今頃明るみになったのだろうか。同社の担当者によれば、何者かが読売新聞に使いまわしをしているという事実をタレ込んだのだという。当時の内実を知っていて、現在はどうなっているかを知らないため、おそらくは元従業員なのだろうと説明した。読売新聞から取材を受け経緯を語ったところ、08年に大きな騒動になった高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)の牛肉産地偽装や、料理の使い回しなどの悪質さに比べれば質が異なる、ということになり、記事にはならなかった。しかし、

「読売新聞が書かなくても、今度は朝日新聞、毎日新聞とタレ込みに回る可能性があり、それならば一気に膿を出し切ってしまおうと発表することにしました。発表することを読売新聞に伝えたことで今回の記事が出たという事です」

と担当者は話している。

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