「赤ちゃん取り違え」男性が戸籍「復帰」 相続を巡って複雑な争いがすでに起きていた

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   「赤ちゃん取り違え」で実の家族が分かった男性(60)について、今後遺産相続をやり直すのかが関心を集めている。しかし、取り違え相手もまだこの家族にいて、複雑な事情になっているようだ。

   男性と血のつながっている弟たち3人が、血のつながっていない兄とトラブルになったことがそもそもの始まりだった。

遺産相続は5人でやり直されることになるのか

   弟たちは、父親の介護などを巡ってこの兄と意見が対立し、DNA鑑定で血縁関係にないことを2009年に突き止めた。その後、病院に記録を出させることに成功し、それを元に東京都江戸川区の男性宅を割り出した。男性を説き伏せて、12年にDNA鑑定してもらった結果が取り違えだった。

   男性は13年6月、長男として弟たちと同じ戸籍に変更された。しかし、男性と血のつながっている両親は亡くなっており、遺産相続の手続きもすでに行われている。とすると、前出の兄も含めて、遺産相続はこの5人でやり直されることになるのだろうか。

   実は、男性の存在が分かる前に、相続を巡って、兄と弟たちの間で訴訟沙汰になっていた。

   10年9月6日の東京高裁判決によると、弟たちは裁判で、母親が亡くなった後に病気の父親を在宅介護すると兄が言い出したため、3000万円相当の母親所有の土地などを兄に譲ることにしたと主張した。しかし、兄は父親を高齢者施設に入れようとしたとし、反発した弟たちは分担して介護することにした。それでも兄は協力が十分でないため、態度が冷たいのは血がつながっていないからだとの疑念を強めた。そして、父親が死亡した後、遺言で兄が父親の住んでいた家をも相続することになると、弟たちは08年7月、兄と両親が親子でないことを確認する訴訟を起こした。

   兄と弟たちがDNA鑑定で血縁関係にないことが分かったのは、裁判中に兄が鑑定することに同意したからだ。

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